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ハッピークローバー

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第百五十八話 デマコーグその二

「これからね」
「それじゃあね、しかしね」
 中国の娘はこんなことも言った。
「このジュースってやたら甘いけれど」
「それが売りよね」
「いや、こうした甘さって」
「どうかしたの?」
「日本じゃ珍しいかしら」
「ああ、それはね」 
 理虹も否定せずに応えた。
「言われてみるとね」
「そうよね」
「和菓子に比べたら」
「かなり甘いわね」
「もう何て言うか」 
 理虹はそれこそという口調で話した。
「スナック菓子みたいな」
「そういうのと一緒に飲む様なね」
「そんな甘さよね」
「そうよね」
「それか」
 理虹はこうも言った。
「駄菓子屋さんのね」
「昔あった」
「そう、今もそうしたもの売ってるけれどね」
 駄菓子屋にある様な賞品をというのだ。
「お店があって」
「駄菓子を売っているお店が」
「昔はお婆ちゃんがやっていた」
 所謂駄菓子屋の婆ちゃんである、昭和の頃は街にはそうした店と人がいたのが風景の一つであったのだ。
「そうしたお店があるのよね」
「そうなのね」
「難波の地下街に往ったら」
 そうすればというのだ。
「そうしたお店もね」
「あるのね」
「ええ、それでね」
「そうしたお店でなのね」
「駄菓子は売ってるわね」
「そうなのね」
「それで一緒に」
 その駄菓子と、というのだ。
「みっくちゅじゅーちゅは飲むわね」
「それでこんなに甘いの」
「そうじゃない?あと大阪は味濃いでしょ」
「かなりね」
 中国の娘も否定しなかった。
「日本の中では」
「お好み焼きとかたこ焼きもでしょ」
「味濃いわね」
「それで濃い食べものに対して」
「甘い飲みものね」
「そうじゃない?」
 こう言うのだった。
「この甘さは」
「それでなのね」
「それでね」
 理虹は話を続けた。
「お好み焼きとか駄菓子を食べて」
「みっくちゅじゅーちゅ飲むのね」
「それが大阪なんでしょ」
「そういうことね」
「実は私びっくりしたのよ」
 ここで理虹はこんなことも言った。
「このジュースが関西だけって言われて」
「ああ、他のところにはないのね」
「日本のね」
「そういうことってあるわね」
「そう、それでね」
 その為にというのだ。 
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