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金木犀の許嫁

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第五十一話 自然の知識その十二

「佐賀県もです」
「いい場所ですね」
「そう思います」
「実際佐賀県もです。大分県も」
「いい場所ですか」
「そうです」
 こう言うのだった。
「とても」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのだ。
「どの県も行かれる機会があれば」
「行くといいですね」
「そうです」
 九州はというのだ。
「あちらは」
「そうなのですね」
「まことにいい場所です、鹿児島にしても」
「いい場所なんですね」
「行かれて後悔はしません」
 そうだというのだ。
「鹿児島は私達にとって縁のある場所ですし」
「ご先祖様達が逃れて」
「江戸時代の間暮らしていた」 
 そうしていたというのだ。
「上田、大坂と並ぶ」
「故郷ですね」
「第三になりますね」
「上田が第一で大坂が第二ですね」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「第三が鹿児島で」
「江戸時代の間ずっといて」
「そして維新になり移ったこの神戸が」
 どうかというのだ。
「今のです」
「私達の故郷です」
「そうなりますね」
「はい、そして」
 幸雄はさらに話した。
「この神戸でこれからも」
「楽しくですね」
「暮らしましょう、そして時々でも」
 こう前置きして話した。
「第二の故郷大阪に行くといいかと」
「あちらにですね」
「私達の実家もありますし」
 夜空が言ってきた。
「尚更ですね」
「はい、それに夜空さん達はデートをしましたね」
「大阪で」
「楽しかったですね」
「はい、とても」
「それならです」
 幸雄は夜空に微笑んで話した。
「またです」
「一緒に行くといいですね」
「デートに」
「そうしてきます」 
 夜空は満面の笑顔で答えた。
「それで佐京君と実家にもです」
「帰られますか」
「また」
「そうされてもいいです、大阪はまことにです」
「私達に縁のある街ですね」
「主従長い間いました」
 そうだったというのだ。
「大坂の陣までも」
「幸村公が勤めておられて」
「そしてです」 
 そのうえでというのだ、事実真田幸村は大名だった頃に長い間大坂に詰めて勤めを果たしていたのだ。
「主従共にです」
「おられましたね」
「ですから」
 そうした街だからだというのだ。 
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