世界の礎
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第四話 海その八
「いいな」
「それでは」
「そして海に出るが」
あらためてこちらのことも話した。
「星座、星のことを話そう」
「星ですか」
「そうだ、夜に星を見てだ」
そうしてというのだ。
「自分達の場所を理解してな」
「進むのですね」
「そうするのだ、さらにな」
コムにさらに話した。
「羅針盤を出す」
「羅針盤?」
「磁石を用いたものだ」
その羅針盤はというのだ。
「方角が常に確かにわかる」
「方角が」
「東西南北がな、磁石は常に南北を指し示す」
このことを言うのだった。
「だからだ」
「方角がわかるので」
「航海も楽だ、また陸を進むにもな」
こちらでもというのだ。
「方角が常にわかるとだ」
「それはとても楽になります」
軍を率いるコシュが応じた。
「実に」
「そうだな」
「はい、進軍もそうなります」
「楽にな」
「実にありがたいです」
「海でも陸でもだ」
両方でというのだ。
「これからはな」
「磁石を用い」
「そのうえで進むのだ」
「そうすれば迷わず」
「その分楽に進めるな」
「確かに」
コシュはまさにと答えた。
「そうなります」
「ではいいな」
「はい、それでは」
「羅針盤に方位磁石をな」
この二つをというのだ。
「用いてな」
「進んでいきますね」
「これからはな、そして書もだ」
こちらもというのだ。
「活字印刷で増やす、術の書もだ」
「そうして増やし」
「多くの者が一度に学べる様にするぞ」
「それでは」
こう話して実際にだった。
義青は今度は羅針盤や活字印刷を出してそのうえで行き来を楽にしまた書の数を一気に増やした。それにより海でも陸でも行き来が楽になり。
書が多くなり術を使える者も増えた、それで彼は言った。
「これまでよりも遥かにだ」
「勢力が強くなりました」
「何かと楽になりました」
「そうなりました」
「そうだな、アナトリアも掌握出来た」
義青は周りに話した。
「これで次の動きに迎える」
「いえ、その前に」
マーマンの中年の男が言ってきた、海軍大臣に任じられた者でキトという。
「テュルスがあります」
「あの島だな」
「そして都市国家ですが」
「わかっている、今度はな」
義青は確かな声で答えた。
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