ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第54話 =最後の決戦前=
前書き
サブタイなんかへんなかんじww
そしてグダグダ感半端じゃないですww
「まさか、凛々の自由としてボス戦にあの団長さんがのご指名とはねぇ」
「今まではアスナとかシュミットとかがメッセージ飛ばしてからの俺たちの参戦だったからな」
ま、俺はメッセージ来なくてもいくつもりだったけど。
俺はリズとともにこのリズベット武具店にいる。他の3人はKoBやDDAなどから送られた偵察部隊からの報告を聞きに55層のグラ
ンザムへといっている。俺たちとギルドの違うキリトとアスナも同じくグランザムで報告を聞いているはずだ。
なので、パシリというかなんというか……キリトの二刀やアスナの細剣など全員の武器を俺とリズで預かって耐久を回復させて
いるのが今、というわけだ。その作業で俺の目の前ではリズが次々と回転砥石に剣を当てている。
「……それで、リクヤは大丈夫なの?」
「何がだよ」
シリカのダガーを研ぎ終わったのかそれを俺に手渡ししながらリズが心配そうな顔で俺を見つめてきた。というか完璧に心配し
ている。
「だって…75層、でしょ」
「…まぁな……俺も…サチやシリカ、ユカを連れて行きたくはないし、リズともあの家で楽しく暮らしてたいさ」
「なら!」
「でも…そんな生活もどこまで持つかわからないし一瞬で終わるかもしれないんだよ……俺たちが死ぬことで」
俺の言葉にリズは目を見開いて驚いていた。だって22層はモンスターが出ない=死なない、なのは絶対なのだから。
「リズはさ、俺たちの体がどうなってるか考えたことあるか?」
俺も前まではどうなっているんだろう何て考えなかった。でも、あるとき「テニスしたいな~」なんて適当に考えていたらどんどん
どつぼに嵌っていき現実での体が心配になってきたのだ。
「……え?」
「覚えてるか?茅場晶彦のチュートリアルで2時間の回線切断ならOKだって言った。その理由は…」
「あたしたちの体を介護できる病院へ搬送するため…ね」
その推測は多分当たっているだろう…茅場晶彦もそう言っていたし……その回線切断が行われたのか目の前にディスコネクショ
ン警告というものが表示されたが…。
「…病院に搬送ってことは本当に俺たちの体はピクリとも動かないってことだ。もう植物状態だって言ってもいいと思う。そん
な状態で何年も無事に生かされる…絶対なんて保証はないよ」
筋力の衰えとか、目覚めたとき時代についていけるかどうか…その他いろいろなことからあと数年で俺たちのことは世間から見
放され、茅場晶彦の起こした事件ということで片がついてしまいそうな気もする。
「……そんな…」
もうクリアするためのタイムリミットはゲーム開始時から設定されているということだ。しかもそのリミットは俺たちにはわか
らないということでさらに不安が大きくなっているだろう。
「だから進まなきゃいけないってのもあるし…俺は76層以降を見てみたいって気持ちの方が大きいからな」
「………のんきって言えばいいのかバカって言えばいいのか…」
目の前では呆れた顔で微笑んでいるリズがいる。どうやら少しだけでも不安は拭えたみたいだ。「うっせ」とピンッと頭を小突
き最後の武器、キャリバーンとオータムリリィをオブジェクト化して回転砥石の前に持っていく。
「さ、やろうぜ」
「そんなに急かさないでよ……」
そういいながら、また回転砥石を起動させオータムリリィの先端をそれに当てる。そしてリズ自身の最高傑作の1本を研ぎ終わ
りキャリバーンへとうつる。
「……絶対生きて帰ってきなさいよ、みんなと一緒に」
「…あぁ、もちろん」
これでなんとしてでも負けるわけにはいかなくなったな。
_________________
=第75層=
「……どんだけ強いんだよそのボスは」
ヒースクリフさんからの報告を聞いたサチにパードベンテ、シリカのブレイドエッジ、ユカの投剣がたくさん入ったホルダーを渡しながらその感想を呟く。
報告の内容は偵察隊が壊滅した…ということだ。ボス部屋までは長い時間をかけたが犠牲者0でマッピングは終了し、層での最強の壁であるボスモンスターを確認するためにその5ギルドで構成された偵察隊を送り込んだがボスモンスターが現れた瞬間、入り口が閉じてしまったらしい。その扉は打撃、鍵開けスキルを使っても反応することは無く何をしても無駄だったらしい。
そして時間が経ち、扉が開くとその中には偵察隊もボスモンスターも消えていたらしい。偵察隊がどこにいったのか…黒鉄宮のモニュメントに名前を確認に行かせたところ……無残にも横線を引かれ死亡していた。
「しかも結晶無効化空間か……」
「うん………私、やっぱり怖いよ…」
そのサチの言葉にいつものように言葉をかける、ということは出来なかった。サチは一度、現実での友達が目の前でモンスター
にやられて死んでしまっている。それも俺のレベルが微妙に高いせいで皆を守れなかったせいでもある。
だから…
「…大丈夫。絶対に守り抜いてみせるから…」
あの時に一番感じた思い、そして今もずっと思い続けていることをそのままサチに伝える。
「…うん」
その頷きを見て一旦、互いにその場を離れる。サチはシリカたちに武器を渡さないといけないし俺もキリトとアスナに武器を渡
さないといけない。別れ際「…がんばろ」と呟きが聞こえ、俺もそれに頷いた。
「……おっす」
各方面にギルド流のあいさつをしている夫婦を見つけ声をかける。
「おう、リクヤか」
「こんにちは、リクヤ君」
「俺にはギルド流のあいさつしないのかよ」と冗談を言いながらエリュシデータ、ダークリパルサー、そしてランベントライト
をトレード欄に入れてまとめて渡す。渡された後、キリトの背中に黒と水色の剣が、アスナの腰には白い剣が装備された。
「ありがとね」
「それとリズからの伝言、「絶対生きて帰ってきなさいよ、皆で」だってさ」
「当たり前だ…こんなところで負けてなんかいられないさ」
キリトも決意は固いようだ。まぁ2週間で夫婦ラブラブ生活が終了したらあれだからな…
「よぉ!」
「あぅっ……なんだよ、クラインとエギルかよ…」
クラインに突然叩かれて変な声出しちゃったじゃないかよ…
「なんだとはなんだ。今回はえらい苦戦しそうだから、商売を投げ出して加勢に来たんじゃないか。この無視無欲の精神を理解
できないたぁ…」
「無視無欲って…冗談は頭だけにしとけよ……エギルは戦利品の分配はいらないそうだ。俺たちで分けちまおうぜ」
「い、いや…それはだなぁ…」
そのツルツル頭をかきながら情けなく口ごもるその語尾にその場にいた全員が笑った。その笑いはどんどん伝染していき、皆が
感じていた緊張がほぐれてきていたようだった。
そして午後1時、転移門が光りだしその中から真紅の鎧、そして巨大な盾を携えたヒースクリフさん、そして血盟騎士団の精鋭
たちが現れ、俺たちに再び緊張が走った。
「…欠員はいないようだな。状況は皆の知っている通り厳しい戦いになると思われるだろうが諸君の力なら切り抜けられると信
じている。……開放の日のために!!」
その声にうぉー!!と体格のいいプレイヤーが声をあげ賛同する。やっぱりすごいと思うけどこの人も本当にコアなネトゲプレイ
ヤーなのだろうか…というかゲームと無縁な生活をしてそうなんだけど…
「キリト君、リクヤ君。君たちの《二刀流》、存分に振るってくれたまえ」
「もちろん!」
キリトも無言でそれに頷く。ヒースクリフさんは再び集団に振り返り回廊結晶を取り出した。それに感嘆の声を出すがその正体
は希少だから、ではなくそれをあっさりと使うヒースクリフさんに対してだろう。その結晶で渦を創り出しその中へと真紅の鎧
を身に纏ったその体を翻し青い光の中へ足を踏み入れ、その次にぞろぞろと剣士たちが入っていく。
どうやらサチたちは先に入ったらしい。俺も追いかけないと……
「リクヤ…死ぬなよ!」
「お前もな、クライン」
互いに軽く拳と拳をぶつけ合い、健闘を祈る。クラインがその後に入り、キリトとアスナが手を繋ぎ入っていくのを見てからい
つの間にか集まっていたここに住んでいるプレイヤーに手を振りながら俺もその渦の中へと入った。
___________________
=第75層 ボス部屋前=
このボス部屋前はデータやら何やらで重くなるらしく、ここも例外ではなかった。広い回廊の脇には太い柱がいくつも列をなし
その先には透明感のある黒曜石みたいなので作られた扉がある。ゴツゴツと荒く造られた下層のものとは違うので恐らくレベル
が変わるということを教えてくれているんだろう。
「……称号も【抜刀騎士】だから問題ない…アイテムも……よし」
「…リクヤ…」
横を見ると、不安そうな顔をしたユカが準備万端で立っていた。
「…なんだよ…珍しく不安がってるな」
「……仕方ないでしょ…なんだか嫌な感じがするし…」
「まぁな…でも」
そういいながら少し俺より背のでかいユカの頭をポンポンと叩く。結構シュールだけど…
「ここも生き抜いて現実に帰ろうぜ」
「…えぇ……」
「だから回復とかは任せたぜ」
「そっちこそボスはよろしくね」
ユカの言葉に「わかった」と言おうとしたところ頭に思いっきりぶつかってきた水色の物体が。…ピナかよ…すぐ回復するから
いいけどほんの少しだけHP減ってるし。
「リクヤさん、大丈夫ですか?」
「…大丈夫大丈夫…。シリカも大丈夫か?」
「…はい、わたしは大丈夫ですよ」
その表情は少しだけ無理をしているのが簡単に読み取れてしまった。やっぱりリーダーっていうのがプレッシャーなのか…でも
シリカは今までリーダーとしてたくさん活躍してくれたのは近くにいた俺たちが十分に判ってる。
「シリカ…俺たちが支えるからそれ忘れるなよ」
「………はい!」
その元気な頷きにピナも「キュー!!」と大きな声で鳴く。
「皆、準備はいいかな。今回、ボスの攻撃パターンに関しては情報は皆無だ。基本的には我々血盟騎士団が攻撃を食い止めるの
でその間に可能な限り攻撃パターンを見切って柔軟に反撃してほしい」
その声に思わずつばを飲み込む…。ようやく始まるんだな…。ギルドは大体ギルドで固まっているので俺たちも違わず一緒にい
る。
「――では、行こうか」
ヒースクリフさんは無造作に黒曜石の扉に近づき右手をかける。周りで緊張に包まれた仲間の様子が俺にも伝わってくる。
「…勝ってあの家でスイーツパーティでもやろうぜ」
「……そうですね!」
「それで頑張らせるって……でもそれもいいわね」
「楽しみだね……絶対に生きて帰ろ」
全員で手を合わせてそれをそれぞれの力に変える。…大丈夫、俺たちは1人じゃないってことが十分にわかった。
「…戦闘開始!!!」
盾から長刀を抜いたヒースクリフさんが先陣を切ってボス部屋へと走っていく。
「よし…凛々の自由、いこうぜ!!!」
「えぇ!!」「はい!!」「うん!!」
全員で声を合わせ俺たちもそれへ続いた。この3人だけじゃなくてキリトもアスナも…ほかの皆も俺が守ってやる!!
後書き
涙「さぁ察しのよすぎるリクヤ君だね」
リ「うっさいな~…もともと考えてたよ…きっかけはテニスだけど…」
涙「あぁ…そういえば言ってたね…でも、なんで?」
リ「今の俺筋力高いだろ?それならどれくらい速い球打てるかな~って」
涙「うわぁ…テニスバカ」
リ「うるさいな!!」
涙「でもリクヤ君、パワーは絶対落ちてるから球速も落ちてるよ」
リ「それなんだよ…問題は……だから速く帰らないと…」
涙「よかった…テイルズのためだけじゃなくて……新たな気持ちでリクヤ君もボス戦にいけたと思うんで…ww」
リ「どういう意味だよ…」
ページ上へ戻る