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ボクサーを舐めるな

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第二章

「俺陸上部だぞ」
「喧嘩する部活じゃないよな」
「そうだよ」
「俺もだよ、二段でもな」 
 空手がというのだ。
「それでもな」
「あいつ強いよな」
「下手したら負けるさ」
 こう言うのだった。
「空手やっててもな」
「そうだよな」
「本当にな」
「ボクシングは馬鹿に出来ないな」
「そうなんだよ」 
 クラスで名作漫画を読みつつ話した、そして。
 ある日土曜の休日の部活が終わってだ、坂本は今では少なくなったゲームセンターの格闘ゲームをプレイした、使用するキャラはボクサーだが。
 アフリカ系の太った大きなボクサーのそのキャラはというと。
「強いな、こいつ」
「ああ、飛び道具あってな」
 今も一緒にいるクラスメイトに自分のプレイを見せつつ話した。
「対空技、削り技もあってな」
「強いんだな」
「そうなんだよ」
 プレイしつつ話す。
「こいつはな」
「そうなんだな」
「格闘ゲームでもな」
「実はボクサー強いんだな」
「そうだよ、だから本当にな」
「ボクサーは侮れないんだな」
「ああ」
 実際にというのだ。
「この通りな」
「お前の腕もあるけれどな」
 ゲームのそれがとだ、クラスメイトは言った。
「しかしな」
「わかるよな」
「ああ、このキャラ自体強いな」
「通常技もいいしな」
「強いな」
「そうだよ、まあどんな格闘技もな」
 格闘技ならというのだ。
「馬鹿にしたらいけないな」
「どれも強いか」
「ああ、こんな風にな」 
 真のラスボス、オレンジの空手義を着た同じ会社の他ゲームの主人公である空手家を倒してエンディングを観つつ話した。そして席を立ってクラスメイトに帰ろうぜと言った、クラスメイトもその言葉に笑顔で頷き帰ったのだった。


ボクサーを舐めるな   完


                 2025・1・19 
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