外道戦記ワーストSEED
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四話 とりあえずガワは出来たけど&嫁さん出来ました
前書き
物語は加速していく→早くモビルスーツの時代までいきたい、という意味
えー、自分がモビルスーツ作りたいなあ、とバタバタしてから早十数年、この時代の年号に合わせるとCE65年、やっとガンタンク出来ました!
いやー、ほぼ、俺のロマンを理解してくれた技術者のお陰ですが、感慨深いですね。あとハルバートンさんという方が、新技術も悪くないと数機注文してくれたみたいです。サンクス。
まあ、戦車より分厚い装甲と発射角度と方向の多様化ぐらいしか現行兵器とは変わりありませんが、ガンダムの技術基礎と思えば惜しくないですね。
ただ、最近、なーんかきな臭い。ティターンズみたいな(侮蔑表現)ブルーコスモス強行派も多くなってるし、テロも多い。
アズにゃんは、『金にならないことはやりませんよ』って言ってるし、実際、最近だとコーディネーター相手にもいつものような薄笑いを浮かべてるからそんな関わり無いだろうが、おたがいにメディアを使って糾弾もしている。
とと、暗くなっちまった。
ネクタイを締め直し、最近ローン組んだ、愛しい我が家へと向かう。
愛しい嫁さんをの前で、暗い顔は止めとこう。
ああ、言ってなかったが、見合いして結婚しました。
嫁さんの名前は、ミオリネ・レンブラン。
一言で言うなら、ひじょーに『訳あり』な少女だ。
だが、それは本来なら問題にならない『筈』だった。
父親は財界の名士で、妻との関係も良好。
更に両者共生粋のナチュラルということで、この世界の地球側のカルト組織、ブルーコスモスも特に指摘するところが無かった。
とある事件が起こるまでは。
前の世界でいう、流行り病のインフルエンザ。
その類似型であるこの世界のインフルエンザ、S型インフルエンザが変異し、従来のワクチンを無効化したS2型インフルエンザが流行したことで、当然、強靭な肉体を遺伝子レベルで多く持つコーディネーターが多く病気から回復し、ナチュラルの死亡例が多発する事例が発生。
ナチュラルの反コーディネーター派閥は、それをコーディネーターの陰謀と断じ。
反対に反ナチュラルのコーディネーターは、これは『神の鉄槌だ!』と煽った。
下火になっていたナチュラルvsコーディネーターの争い、ガソリン投下で再開である。
(俺も論文を齧ったぐらいなので怪しい知識だが、コーディネーターでもそういった施術が失敗してしまう個体もいるらしいが、それでもお互い煽るって凄いなと個人的には思った)
で、その後起こるのは中世ヨーロッパ宜しく、魔女狩りである。
明らかに容姿が元の親とかけ離れているものは勿論、子供が壮健に生まれてくるための操作、病気にかかりにくくなるような微細なコーディネートまで、ブルーコスモス中心に弾圧を行い始めた。
何故か病院から抜かれているコーディネート技術を用いた幼児のリスト。煽るメディアに乗る群衆。
まあ、流石に倫理感が少しは働いたのか、乳幼児が的にされることはなかったものの、コーディネーターの著名人の家に、小動物の遺骸を投げるなどの行為が多発。
医薬品、セキュリティ関連の株がストップ高となるなど、世界は再び今混迷の中へ沈んだ。
で、ミオリネさん。彼女は前述した『病にかかりにくい、免疫力の高い身体に』調整された人間だった。
こっからは、余り当人も話したがらないし、自分も聞いちゃいないが、そうとう『嫌な事』されたらしく。
一人娘の身に危険を感じた父親、デリング・レンブランの発案により、早々に婚姻による身元の確立と安全化をはかるため。
ブルーコスモス内で発言力の高いアズラエル財団に所属し、何故かコーディネート技術に忌避感を持たない自分に白羽の矢が立った、らしい。
何を馬鹿な、というかもしれないが、ブルーコスモスを主体とする反コーディネート技術を謳う集団は何故か大西洋連邦とズブズブの関係にあるので、逆を言えば、裏で手を組んでいる大西洋連邦に所属し、ある程度のツテを持っている人間に対しては、配慮してくれるのである。
そうこう考えているうちに、着いた自宅の呼び鈴を押す。
すると、カチャリと、勝手にドアが内側から開いた。
「パッパ!」
二歳になる娘のよちよち歩きを、鞄を引っ掛けた両腕で抱きとめながら、ジョンは続けた。
「ただいま、マリィ、ミオリネ」
その声に、白いエプロンを引っ掛けて入口までやってきた女性、が顔をほころばせて言った。
「おかえりなさい、貴方」
第四話 終
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