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ハッピークローバー

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第百五十四話 仮面その十三

「あいつなな」
「そうね」
 かな恵も確かにと頷いた。
「あの子はね」
「そうだろ」
「ええ、そうしたタイプね」
「だからな」
 それでというのだ。
「本当にな」
「そうしたことはしなくて」
「そしてな」
「心配無用ね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「あいつについてはな」
「赤ちゃんがとか」
「そういうのはな」
「心配無用ね」
「ああ、むしろな」
「むしろ?」
「ずっと彼女さんいないとかな」
「そうなりかねないのね」
「ああ、だからな」 
 かな恵をじっと見て言った。
「かな恵か俺がこれはっていう娘いたらな」
「紹介するとか」
「そうしてもいいか?」 
 こう言うのだった。
「相手の娘をな」
「ううん、後輩の娘でいい娘決行知ってるけれど」
 部活や団地の付き合いでだ、かな恵もそうした娘は心当たりがあった、それで鳴海に答えたのだった。
「それでもね」
「駄目か?」
「駄目じゃないけれど」
 それでもというのだ。
「明男が言わない限りね」
「彼女が欲しいってか」
「私か私の前で言わないと」
 さもないと、というのだ。
「ちょっとね」
「動かないか」
「そうした気になれないわ、紹介する娘にもね」
「話さないとな」
「そうもしないとね」
 このこともあってというのだ。
「だからね」
「そう簡単には紹介出来ないか」
「ええ、ただ明男に彼女さん出来たら」 
 自分の弟にというのだ。
「それならね」
「嬉しいよな」
「凄くね」
 笑顔で言うのだった。
「お姉ちゃんとしてね」
「俺もだよ、あいつもそれで幸せになったらな」
「私達も嬉しくてね」
「幸せになるな、自分の身内やダチが幸せになったらな」
 それならというのだ。
「俺達も幸せになる」
「そうよね」
「世の中ってそうだよな」
「親しい人が幸せになったらね」
「自分も幸せになるよ」
「普通にね」
 こうした話をしながらカレーを食べた、二人は明男の話に移り自然と笑顔になって幸せを感じていた。


第百五十四話   完


                 2024・10・15 
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