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ドリトル先生の長崎での出会い

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第三幕その八

「命じたのは山内容堂さんでね」
「前の土佐藩の藩主だった」
「あの人だね」
「武市半平太さんなんか強引に切腹させたね」
「そうだったね」
「むしろ板垣退助さんなんかは」 
 この人はといいますと。
「取り調べを適当なところで終わらせて」
「粛清するつもりはなかった」
「そうだったね」
「あの人は」
「そうだったしね、竜馬さんと後藤さんは本当にこの長崎で会ったのが初対面で」 
 そうであってというのです。
「板垣さんとは一度も会っていないんだ」
「それ意外だよね」
「創作では板垣さん竜馬さん凄くいじめてたのに」
「同志の人を後ろから刺し殺したりね」
「二人共傲慢で残忍で卑劣で」
「最低な人達に書かれることが多いけれど」
「実際は全く違ってね」
 そうであってというのです。
「それなりに出来た人達だったよ」
「人を後ろから刺したりとかしないで」
「傲慢で残忍で卑劣でもなかったね」
「そうだったね」
「そんな人達が維新になったらどうなるか」
 それこそというのでした。
「言うまでもないね」
「維新の志士の人達って身分の低い人多かったし」
「西郷さんとか大久保さんとか」
「伊藤さんも山縣さんも」
「それで身分の低い人達しかも自分の同志だった人達を笑いながら殺した人達なんてね」
「絶対に許さないね」
「同志とも思わないで」
 同じ志士とも、というのです。
「即座に敵討ちとなっていたね」
「そうだよね」
「絶対にね」
「同じ志士どころか敵だって考えて」
「抹殺していたわ」
「実際は二人共出来た人達で」
 そうであってというのです。
「傲慢でも残忍でも卑劣でもなかったよ」
「特に板垣さんだね」
「いい人だったんだよね」
「竹を割ったみたいな」
「義侠心もあって」
「実際は竜馬さんと会ったことがなくても」
 それでもというのです。
「身分が低くて子供の頃はいじめられっ子だった竜馬さんをね」
「認めていたんだよね」
「剣道や学問に励んでいると聞いて」」
「身分に関係なく」
「実は身分の低い人達にも寛容で」
 板垣退助という人はというのです。
「志士として活躍していて中岡慎太郎さんとも懇意で」
「竜馬さんの同志だった」
「あの中岡さんともだね」
「仲がよくて」
「志士としてかなり活動していたんだ」
「そして竜馬さんの脱藩の罪が解ける様に動いてもいて」
 そうしたこともしていてというのです。
「竜馬さんもね」
「そうそう、板垣さんのお話を聞いて」
「凄い人がいるって志士の人達にも紹介して」
「認めていたね」
「お互い会ったことはないけれど」
 竜馬さんと板垣さんはというのです。 
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