星河の覇皇
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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその三十八
「そうしています」
「そうですね、その為に」
ブラウンベルグも語った。
「あの国はこれまで何度も内部抗争に明け暮れ」
「再びです」
「その時代に入りましたね」
「あの国は武を使った戦いは起こりませんが」
ギルフォードも言った。
「しかし衝突はです」
「常ですね」
「貿易等の利害を巡って」
「些細なそれで」
「そして権限を巡っても」
「衝突が起こっていますね」
「今は中央政府の権限が拡大されています」
連合はというのだ。
「ですから」
「そのことがあり」
「各国政府は反発してです」
「中央政府に対しようとしていますね」
「そして対立し」
そうしてというのだ。
「衝突の時代に入りました」
「再び」
「あの国の千年の中で数え切れぬだけありましたが」
「その衝突の時代は」
「再びです」
「それに入ったので」
「我々としては有り難いです」
ギルフォードは嘲笑を込めて述べた、そうしてそのうえでブラウンベルグに対してこうも言うのだった。
「その分我々を見なくなるので」
「その間にですね」
「我々は発展出来ます、暗黒宙域もです」
「あちらもですか」
「踏破します、それで公爵も」
「はい、娘婿が参加しています」
ブラウンベルグはギルフォードに答えた。
「軍人ではないですが」
「港の責任者として」
「中央政府の官僚としてです」
その立場でというのだ。
「奉職しています」
「そうでしたね」
「頑張って欲しいものです」
その娘婿にはというのだ。
「是非」
「そうですね」
「何しろ私の子なのですから」
血縁関係はないがだ、娘の婿ならば義理の息子になるので息子だというのだ。
「ですから。そして領民達も」
「公爵の」
「軍人として参加している者がいまして」
「彼等にもですね」
「頑張って欲しく」
それでというのだ。
「私も励ましの手紙を送りました」
「そうでしたか」
「参加している全ての領民に」
軍人としてそうしている者達にというのだ。
「そうしました」
「それは何よりですね」
「私は。いえ貴族は民を護り導きますが」
ブラウンベルグはこうも言った。
「しかし」
「それでもですね」
「神輿でもあります」
「日本にあるあれですね」
「担いでもらわないとです」
「駄目なものですね」
「担いでもらっている者が担いでくれている者達に感謝しない」
これはというのだ。
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