彼は いつから私の彼氏?
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8-7
準々決勝では、燕先輩、香、私達のダブルス共に3-0で勝ち進んだ。この日は香も最初から快調にポイントを重ねていた。試合が終わって、コーチから
「明日は、午前中 準決勝 午後から決勝だ どっちも 今日と同じメンバーで行く 気を緩めるなよ 我々の目標は全中制覇なんだからな!」と、発表されると、クラブのメンバーの何人から、小さく「えぇー」という驚きに似た声も聞こえていた。当然なのだろう 花梨の名前が無いのだからー。花梨は下を向いた切りなのだ。彼女は今 何を考えているのだろう。悔しいのには違い無い。それとも、全中で頂点に立った時のことを思い描いているのだろうか。私には、まだ 彼女との付き合いも長く無いので 今 どんな心境なのかは察することが出来なかったのだ。
次の日。会場には学園の連中とか高校卓球部の何人かと、あの3人の仲間にお兄ちゃんと硝磨さんも応援に来てくれていた。もちろん、手を振りはしなかったけど、翔琉の顔を私は真直ぐに見ていたのだ。絶対に優勝するから見ててねという思いで・・・。そして、香も一真さんの顔をしっかりと見ていた。
午前中の準決勝は、私達は快調に勝っていて3-0で決勝に進んでいた。そて、決勝の試合で、トップに進藤かがりさんが出て来ていた。去年はダブルスでウチを苦しめ、秋に私と花梨が挑んだ試合でも苦戦した相手だ。今年は、二色が浜中学のエースとして君臨しているのだろう。
第1試合は、燕先輩が1ゲーム、2ゲーム目も連取していたが、3ゲーム4ゲーム目を巻き返されてしまっていた。最終ゲームの前、花梨が
「キャプテン 相手にはセンターへのロングサーブ効くみたいですよ」と、一言言っていた。すると、そのゲームをあっさりと11-4で勝ったのだ。
「花梨 なによー もう キャプテンちゃうよー でも、アドバイス効いたみたい ありがとう」
「ふふっ ウチのキャプテンやから・・・」
2試合目も香が1ゲームは取ったけど、2ゲーム目はやられてしまって
「香 ええでー 負けても 安心しー ウチも試合出たいからなー」と、美麗先輩が励まし? ていると
「香 あかんでー コーチもゆうとったやろー 気を緩めるなって ウチとみんなの夢を背負ってるんやからな! いつものステップが弱い 脚が折れてもやるんやでー」 と、花梨がハッパをかけて
「うん わかったー」と、繰り出して行った香は3ゲーム4ゲーム目も連取していた。あの子 私の得意としている跳ねてのスマッシュを繰り出していて、相手も対応出来なかったのだ。
そして、私達ペァは難なく相手を翻弄させて3-0で勝利していた。結局3-0で優勝していたのだ。
「なんやのー 水澄 得意のスマッシュ 出んやったヤン バックハンドとかフォアサイドばっかーやったなー」
「ふふっ ばれたかぁー 私は 研究されたらアカンから 全中対策やー」
「もぉーぉ 君達は最強やねー 水澄もウチとの時より 進化してるわー ちょっと アホで無くなったカナ」
「うふっ 懐かしいね 花梨と・・・私は 花梨が居ったから どんどん うもぉーなった」
「ウチもなー 水澄が居ったから 助けられたんやー これからもなー 全日本、オリンピックまで」
「また そんな・・・夢・・・かぁー 数年後には・・・」
あの時、お母さんが太子女学園に行けって言ってくれてなかったら、こんな夢もとんでも無かった。そして、もし、智子と一緒だったら、一緒にダブルスを組んで暴れていたのかも・・・。それとも、私があの仲間と一緒の中学に行っていたら、4人でサッカーをやって走り回っていたのかも・・・。そして、翔琉とも毎日が一緒に過ごしていたのかしら・・・そーしたら 二人の仲は・・・もう していたのだろうか。と、すごい 妄想に走っていた。気持ちが ふっ と、緩んでいたのだ。
そして、皆で難波の駅まで向かおうととしていたら、翔琉の姿が見えた。私を待っていてくれたのだろう。皆には「ごめん」と、駆け寄って行くと
「お疲れ すごいね 優勝だねー」
「うん まだ夢への第一歩だけどね」
「でも 確かな一歩なんだろう?」
「そーだね 去年は出れなかったからね 進歩よ」
「着実に登ってるから 水澄は偉いよー 努力してるもんなぁー」
と、一緒に帰ってきたんだけど・・・他の皆は、もう それぞれ帰ったのだろう。香も、きっと 一真さんと一緒に違いない。
「なぁ 明日 練習 休みなんやー デートしてぇー 私 落ち着いた公園知ってるシー 学生証持っといでよー」
「あぁ 良いよー」
「でも ミーティングがあるからと言って家出るから ちょっと朝 早い 8時な!」
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