星河の覇皇
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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその三十五
「これといってです」
「連合や他の国から学ぶ部分はない」
「色々合理的にはしていますが」
それでもというのだ。
「特にです」
「全体を一変させるまでは」
「考えていません」
「だからですか」
「維新ではないです」
これは違うというのだ。
「発展です」
「あくまでそうですか」
「はい、国家の」
それであるというのだ。
「政治システムひいては国家の一変まではです」
「いませんね」
「改善はしても」
よりよい統治の為にだ。
「それは勧めていますが」
「国家の全てを変える様な」
「明治維新は古い国家を一変させるものでした」
日本のそれをというのだ。
「封建時代から近代に」
「一気に変えるもので」
「身分制度を廃止し」
士農工商と言われたそれを四民平等としたのだ、もっとも江戸時代から士つまり武士は置いておいて後の三つの身分の違いはほぼなかった。転職すればそれになった位のことでしかなかったのである。
「そしてです」
「近代法も導入し」
「近代の統治システムもでした」
官僚制度や軍制度、教育システムもである。
「全てです」
「一新させましたね」
「それが明治維新でしたが」
それでもというのだ。
「ですが」
「今のエウロパはですか」
「政治システムのレベルは連合と然程変わりません」
例え国力や技術で大きな開きがあってもだ。
「ですから」
「それはですね」
「細部は変えても」
「官僚や教育のシステムは変えず」
「政府の形もです」
これもというのだ。
「変えません、変えるにしましても」
「一新ではないですね」
「徐々にです」
「変えていき」
「そして」
そのうえでというのだ。
「合わせていきます、当然貴族制度もです」
「変えないですね」
「変える必要があるか」
その貴族制度をというのだ。
「一体」
「ないですね」
「そうですね」
「貴族は誇りを以て常に己を磨き民と国を慈しみ護り導く」
「正しき統治者です」
「その存在は不可欠です」
貴族はアランソに答えた。
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