正月に行く店
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六章
「飲もう」
「そして食べましょう」
「二人、夫婦でね」
「是非ね、あとね」
「あと?」
「デザートも注文するわね」
妻はこちらの話もした。
「そうするわね」
「そうしていいよね」
「ええ」
勿論という返事だった。
「デザートは欠かせないわ」
「そうだよね」
「こうしたお店に来たら」
「それも楽しみの一つだね」
「そちらは何にするか」
「考えるだけで楽しいね」
「それも楽しみの一つだから」
だからだというのだ。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「アイスがいいかしら」
妻は笑顔で言った。
「デザートは」
「ティラミスはどうかな」
夫はこちらを言った。
「イタリア料理だし」
「ああ、そちらもあるわね」
「アイスもあるけれど」
「ジェラートね」
「そちらも捨て難いにしても」
それでもというのだ。
「ティラミスもね」
「いいわね」
「だからね」
それでというのだ。
「どうかな」
「そこは悩みどころね」
妻は白ワインを飲んで言った、こちらも発泡性である。
「本当に」
「最後でもね」
「嬉しい悩みどころね」
夫に笑ってこうも言った。
「これは」
「そうだね」
夫も確かにと頷いた。
「僕も実はね」
「悩んでいるわね」
「アイスにしようかティラミスにしようか」
「他のメニューもあるし」
「だからね」
その為にというのだ。
「ここはね」
「二人で悩もうかしら」
「何を頼むか」
デザートにというのだ。
「楽しくね」
「それじゃあね」
そんな話をしてだった。
二人で悩んだ、そして一緒にアイスを頼んだのだった。
正月に行く店 完
2024・12・30
ページ上へ戻る