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二十六年ぶりの日本一

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第五章

「見たくないわ」
「それならね」
「来年に向けて」
「頑張らないとね」
「早速ね」
「巨人は悪いこと平気でするから」
 この世の悪徳を集めた、そうした存在である。
「それに対抗してね」
「やっていかないとね」
「そのうえでね」
「試合で叩き潰す」
「そうしていってね」 
 そのうえでというのだ。
「来年はリーグ優勝すらよ」
「させないことね」
「それ言ったら」
 千佳が困った顔で言ってきた。
「うちのことになるわね」
「そうよね」
 明日夢も確かにと頷いた。
「うちの三位はカープの大失速の結果だけれど」
「そのせいでね」
「巨人優勝になったし」 
 それにというのだ。
「性懲りもなくね」
「補強言ってるあね」
「あそこはね」 
 巨人はというのだ。
「他のチームから選手掠め取るしかないから」
「戦力育てないのよね」
「それこそ育成なんてね」
「ポーズだけでね」
「全くね」 
 それが巨人だ。
「頭にないから」
「だからね」
「何か優勝しても」
 それでもなのだ。
「補強言うから」
「相変わらずね」
「もうね、今度こそね」
「徹底的に叩き潰して」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「未来永劫優勝出来ない」
「そうしてやらないとね」
「絶対にね」
 二人で話した、そしてだった。
 咲は落ち着いた顔でだ、明日夢に告げた。
「そういうことだから、何よりもスポーツだし」
「後腐れなしね」
「お互い全力で正々堂々とぶつかり合っての結果だし」
 スポーツらしくというのだ。
「だから怨みっこなし、シリーズはじまる前にもお話したし」
「それじゃあね」
「そう、もうね」
 それこそというのだ。
「また来年、今度はホークスが日本一になるって言ってね」
「終わりね」
「それじゃあね」
「ええ、じゃあまた」
「来年ね」 
 こう話してそしてだった。
 二人はそれぞれの席に着いた、そのうえで授業がはじまると学校での生活に入った。咲はベイスターズにはこの通りだった。
 だが後日巨人に対しては激怒した、必ずやかの邪智暴虐のチームを成敗せねばと誓い怒り狂ったのであった。


二十六年ぶりの日本一   完


                      2024・12・29 
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