第1話~お嬢様と使用人~
オリキャラ登場人物
「ルーシィお嬢様ー!朝食の準備ができましたよー」
ここは、鉄道会社ハートフィリア鉄道を運営するハートフィリア財閥の長。
ジュード・ハートフィリアが所有する屋敷。
ハートフィリア邸。
ここに一人の使用人が居た
青年の名前はヨゾラ
ハートフィリア家に幼少の時から仕えている使用人である。
現在は20歳、使用人歴が長い青年で掃除に洗濯、食事や雑用まで使用人として生きてきた。
銀髪、容姿端麗で執事服を着ていて、使用人仲間のおばちゃん達からイケメンと人気である、おばちゃん達からは。
ヨゾラは、コンコンとお嬢様が居る部屋をノックをする、毎朝、ハートフィリア家のお嬢様に朝食を運んでいる。
「ヨゾラ?入っていいわよ」
お嬢様の許しを得て扉を開けると
「おはようございます!ルーシィお嬢様、朝食持ってきました!」
「おはよー、ありがとー!そこに置いといて」
お嬢様、もといルーシィ・ハートフィリア。
金髪、巨乳、お嬢様と属性を詰め込んだハイスペックなで誰が見てもかわいいという美少女である。
「わかりました……お嬢様、朝から小説の執筆ですか?」
ヨゾラは、朝食をテーブルに置いて、ルーシィの方を見る。
ルーシィは、小説家になることが夢で今日も小説の執筆をしていた。
「起きたら、ふと、いいのが降りてきたの、それですぐ書かなきゃって」
「精がでますね、朝食はちゃんと食べてくださいよ?」
「あと、少し書き上げたら食べるー」
「そういえば、お嬢様」
ヨゾラは何かを思い出してルーシィに話しかける
「今からちょっと遠いですけど旦那様に頼まれてクロッカスに行くんですけど何か買ってきて欲しいものありますか?」
ルーシィは、腕を組みながら少し考えて
「王都に行くの?結構時間かかる?」
「そうですね、夜には帰ってくると思います」
「あたしは、特にはないかなー、気をつけて行ってきてね」
「わかりした、では、僕は今から行ってきます」
ヨゾラはルーシィの部屋から出てクロッカスへ向かう、何やらルーシィの様子が変な気がしたが気にせずに王都へ向かうのだった。
ヨゾラが居なくなったルーシィの部屋では
「帰ってくるのは夜。……計画を実行するのは今日しかないわね」
ルーシィは、不適な笑みを浮かべ一冊の週刊紙を取り出す、そこにはフィオーレ王国で有名な魔導師達が映っている。
「妖精の尻尾……あたしは、自分のしたいことをするんだ……ママのようにやりたいように自由に!」
魔導師ギルド妖精の尻尾の魔導師が載っている週刊紙を見るとルーシィは
「ママと同じ魔導師にあたしはなる!」
ルーシィは、母と同じ立派な魔導師となるべく、お嬢様という枷を外し新たな旅に出ることを決意するのだった。
使用人ヨゾラにとっては何気ない1日。
お嬢様ルーシィにとっては新たな1日が始まるのだった。
ヨゾラはルーシィの部屋をあとにしたあとハートフィリア家の長ジュード・ハートフィリアの部屋に寄っていた。
「それじゃあ、旦那様行ってきます」
「必ず、コーネリア殿に渡すのだぞ」
手紙とルーシィの写真を渡された。
「ルーシィお嬢様の写真?」
綺麗なドレス姿のルーシィの写真を見て、ヨゾラは不思議に思う、それはそうとルーシィお嬢様は美しくなられた、母のレイラ様に似てきたと。
「お前には関係ないことだ。しっかりとお前の役目を全うしろ」
ジュードは無駄話はせず、役目だけを告げる。
「わかりました。それでは旦那さま失礼致します」
ヨゾラはジュードに叱られる前に部屋を後にしてクロッカスに向かうため最寄りの駅へと向かい歩き出す。
その途中、同じ使用人である。スペットさんと出会う
「おや、ヨゾラちゃんどこかに行くのかい?」
「師匠!!旦那様に頼まれてクロッカスに行ってきます!」
スペットさん、子供の頃に使用人となったヨゾラに使用人としてのスキルを叩き込んだベテラン使用人の老婆である。
ヨゾラもスペットさんを師匠と呼んで慕っている
「クロッカスかい?なら鉄道を使うんじゃろ?酔い止めを持っていきなさい」
ヨゾラは幼少の頃より極度の乗り物酔いで酔い止めを飲まないとオロロしてしまいダウンしてしまうので酔い止めの薬がないとダメなのである。
「忘れてた!」
「まったくしっかりしなさい。それで、買い出しか何かかい?」
「いや、旦那様のお使いでコーネリア様に荷物を届ける役目を」
スペットさんは、少し考えて
「そうかい……コーネリア様と言えば、クロッカスの名家のアルバルト家の当主だね」
コーネリア・アルバルト、クロッカスの名家の若き当主であり、かなりの魔法の使い手で魔導師としても有名である。
「へぇー、凄い人なんですね」
「もしかしてお嬢様の写真とか旦那様に渡されたのかい?」
スペットさんは眉間に皺を寄せながら聞く
「あんまり人に言わないようにと言われましたが、旦那様からの手紙とルーシィお嬢様の写真を渡されました」
ヨゾラの言葉を聞きスペットは少し驚いた表情をして
「そうかい……なら、早く行きなさい。コーネリア様に失礼がないようにね」
「わかりました!師匠クロッカス土産買ってくるで楽しみにしていてください………俺はこの辺で、行ってきます!」
「待ちな!ヨゾラ、あんたルーシィお嬢様のこと好きかい?」
スペットさんは突然変なことを聞いてくる
「ルーシィお嬢様ですか?もちろん好きですよ?あ、師匠も、他の皆さんも全員好きですよ」
ヨゾラは笑顔で答える。
それを聞いたスペットさんは、フッと笑いさっさと行けと手を振る。
そして、ヨゾラは、スペットさんと別れハートフィリア屋敷を出ていく
スペットさんは、ヨゾラの後ろ姿を見ながら
「ルーシィお嬢様も、もうそんな歳かい…………旦那様もヨゾラに渡しに行かせなくても……二人をずっと見守り続けていたが悲しいのう」
スペットさんは、ヨゾラの姿が見えなくなるまで見ていた。
ジュードの部屋
「この、話が上手くいけば、我がハートフィリア鉄道は安泰だ…………」
ジュードは、怪しげな笑みを浮かべるのだった。
そして、ルーシィの部屋でも
「準備は出来た、置き手紙も書いた………心残りは…………ごめんね、ヨゾラ一緒に来て欲しかったけど、あたしのわがままに付き合わせられないもんね」
ルーシィは、旅の身支度をして
「よし!ルーシィ・ハートフィリア!!あたしの第2の物語の始まりよ!」
ルーシィは、誰にも分からないように屋敷を後にするのだった。
1人の美少女と1人の青年の物語が始まる。