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八条学園騒動記

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第七百八十話 好色一代男その十一

「それでもね」
「混浴もあるな」
「そう、そしてね」
「当時の日本はか」
「混浴が普通だったんだ、しかもね」
 ベンは話を続けた。
「当時のお風呂屋さんは中は今よりずっと暗かったから」
「まさかと思うけれどな」
「そのまさかだよ」 
 ベンも真顔になっている、そのうえで言うのだった。
「そうしたこともね」
「していたか」
「隅の方でね」
「それは凄いな」
「好色一代男が生まれた下地は」
「もうあったんだな」
「日本にね」
 当時のというのだ。
「そうしたことにおおらかで」
「混浴が普通な位か」
「それで温泉街なんかは」 
 日本中にあったそうした街はというのだ。
「遊郭も一緒にね」
「あったんだな」
「そうだったみたいだよ」
「当時の日本はそこも凄いな」
「まあ遊郭を風俗店と言ったら」
 ベンはこの時代のことに当てはめて話した。
「連合でもね」
「普通にあるな」
「そうだよね」
「それで当時の日本はか」
「平安時代からね」
「時代を先取りしていたんだな」
「そうだよ、何でも同性愛のお店も」
 そうした遊郭もというのだ。
「あったらしいし」
「それも凄いな」
「同性愛も普通のお国柄だから」
 古来からというのだ。
「男の娘も含めてね」
「そういうことだな」
「そう、そして」
 そうしてというのだ。
「同性愛の日記もあるしね」
「そんなのもあるのか」
「お公家さんが書き残しているんだ」
 自身の同性愛の遍歴を書き残したというのだ。
「誰とどういったお付き合いをしたか」
「書いているのか」
「後世に伝える為にね」
「おい、内緒じゃないのか」
「当時の日記は後世に残す為のもので」
 そうであってというのだ。
「それでね」
「同性愛、誰とどうしたまでか」
「書き残しているよ」
「今で言うとホモのブログか」
「政治家さんが公に出している」
「物凄いものもあるな」
「今から見るとね」
 ベンも否定しなかった。
「昔の欧州だとばれた時点で」
「死刑だな」
「あそこは馬鹿だから」
 連合ではエウロパ、かつての欧州のことも含めていつもこう言うのだ。 
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