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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその二十二

「しかしそれがです」
「三百以上ある」
「そうした相手です」
「国の数ですね、それは」
「連合の中の、そして胴体ですが」
「中央政府ですね」
「そうです、そのラドンと対する」 
 神話のものより遥かに巨大で強大なというのだ。
「我々はです」
「そのことをですね」
「常に念頭に置いて」
「対することですね」
「ラドンを侮ることは出来ないですね」
「ヘラクレスは戦いませんでした」
 巨大な神アトラス、ラドンと共に黄金のリンゴの木を守っていたヘスペイアの乙女達の父である彼に林檎を取って来てくれる様に頼んで目的の林檎を手に入れたのだ。
「流石に」
「そう言われていますね」
「戦って勝ったとも言われていますが」
 貴族はこの説も話した。
「しかし」
「通常はそうですね」
「戦わず」
「アトラスに取ってもらった」
 乙女達が父の頼みで林檎を一つもいで渡したというのだ。
「そうしてもらいました」
「左様でしたね」
「ヘラクレスですら」
 ギリシア神話最高の英雄である彼がだ。
「戦えなかった」
「それがラドンですね」
「そうです、そしてそのラドンは」  
 アランソはさらに言った。
「連合ということです」
「ヘラクレスですら勝てない」
「戦うのを避けた」
 戦う前にだ。
「諦めて」
「それが連合というのですね」
「ですから」
「我々も覚悟して」
「対する必要があり」
「侮りはですね」
「絶対にです」
 まさにというのだ。
「禁物です」
「それが連合ですね」
「そう考えています」
 こう貴族に話した。
「私としては」
「そしてその国と融和はですね」
「出来ません」  
 強い否定の言葉だった。
「もうお互いに」
「両国の関係といえば」
「最早不倶戴天の間柄です」
「そこまでの敵対関係故に」
「融和はこれまで一度もありませんでした」
 この千年の間というのだ。
「我々と連合は」
「国父ブラウベルグ登場以前から」
「両国の間柄は険悪で」
「国父ブラウベルグの登場でそれは決定的になり」
「今も対立しています」
「我々が連合と決別し新天地に入り」
 そうしてというのだ。 
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