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八条学園騒動記

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第七百八十話 好色一代男その二

「あの人はそうなんだな」
「考えてみたら好色一代男より凄いけれどね」
「その人は実在だしな」
「紛れもなくね」
「事実は小説よりも奇なりだな」
「うん、けれど好色一代男もね」
 この作品もというのだ。
「やっぱりね」
「物凄いな」
「結末含めてね」
「そんな島本当にあったらな」
 天丼の海老と卵でご飯を食べつつ話した。
「行きたいって人も多いだろうな」
「そうだよね」
「如何にもな」
 それこそというのだ。
「面白そうな島だからな」
「行きたいよね」
「そこに行って終わりか」
「さらに遊んでね、ただ」 
 ベンは天丼と一緒にある味噌汁をすすってから話した。
「女護ヶ島ってお話によっては」
「何かあるのか」
「これがね」
 ベンはさらに話した。
「実はそこの女の人達は鬼で」
「鬼か」
「そう、実はね」
「鬼っていうとな」
 フックはこう言った。
「人を取って食う」
「日本の鬼はそうだよね」
「ああ、だから怖いんだよな」
「日本で怖いっていうと」
「そうした妖怪はな」
「鬼でね」
「実はか」
 ベンに考える顔で話した。
「遊べるんじゃなくてか」
「取って食われるね」
「そんな島か」
「若しかしたら」
 ベンはフックに考える顔で話した。
「浮世ノ介さんもね」
「遊びに行ってか」
「そこでね」
「取って食われるか」
「そうなるかもね」
「それが結末か」
「まあそれはないと思うけれど」
 それでもというのだ。
「もう遊び尽くすお話だから」
「ハッピーエンドに終わるか」
「それでハッピーエンドに終わって」
 そうしてというのだ。
「そこから先もね」
「遊び尽くすか」
「そうだと思うよ」 
 好色一代男の作品として完結してからの展開もというのだ。
「六十歳の後の人生も」
「遊び尽くすか」
「どうもこの人そうした欲は衰えないから」
 俗に言う性欲はというのだ。
「だからね」
「それでか」
「本当にね」
「六十になっても遊びまくるんだな」
「あの人はね」
「何でもな」
 フックは深く考えつつベンに言った、それは十代後半の自分達からするとどうにも認識出来ないことなのでこう言ったのだ。 
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