星河の覇皇
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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその十六
「国そして民を守る為に」
「貴族は剣を手にします」
「その時に備えて」
まさにその為にというのだ。
「常にです」
「汗をかいて」
「身体を鍛えるべきで」
「嗜みの一つになっていますね」
「まさに」
「左様ですね」
「若しも」
アランソは己の言葉を続けた。
「貴族が己を鍛えていないなら」
「貴族ではないですね」
「いざという時戦えないので」
だからだというのだ。
「身体を鍛えずして」
「貴族ではないですね」
「ですから私は今もです」
「乗馬にテニスをですか」
「しています」
そうだというのだ。
「そして汗をかいています」
「左様ですね」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「気分転換、ストレス解消も行う為にも」
「励んでおられますか」
「そして観ることもです」
こちらもというのだ。
「好きです」
「そうですね」
「軍人ではないです」
アランソは代々文官の家だ、それで彼女自身も軍とは無縁である。予備役の階級も持ってはいない。
「しかしです」
「貴族なので」
「身体を鍛えることはです」
このことはというのだ。
「励んでいます」
「左様ですね」
「それとですが」
アランソは言葉を続けた。
「伯爵もスポーツは」
「無論しています」
貴族は微笑んで答えた。
「陸上競技を」
「そちらをですか」
「学生時代は三段跳びの選手でして」
「そうでしたか」
「今もトレーニングを欠かしていません」
陸上競技のそれをというのだ。
「日々です」
「そうですか」
「はい」
まさにというのだ。
「そのことにです」
「励まれていますか」
「左様です」
「陸上ですか」
「いいものです、汗をかくには」
貴族はアランソに話した。
「陸上競技はです」
「最適ですね」
「あれだけ汗をかけるものは」
そうしたスポーツはというのだ。
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