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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその六十五

「少しずつでもね」
「減らしていくことですか」
「新一君の悪い癖性分だから」
 もうそう言うしかないです。
「そうしなさいね」
「人にゴミ送ったりする人でもですね」
「そうしたことは言わないでね」
 そのうえで、です。
「いいわね」
「そうですか」
「そうよ、あとね」
 ここでふと思って新一君に言いました。
「新一君ホークスファンよね」
「はい、今は」
「あのチームも色々歴史あったけれど」
「弱い時期も長かったですね」
「そうよね」
「けれどどんな時もですよ」
 少し真顔になっての返事でした。
「僕はホークスを応援しますよ」
「そうなのね」
「球界再編の時地獄見たんで」
 暗いお顔で言ってきました。
「それに比べましたら」
「何でもないのね」
「はい」
 そうだというのでした。
「何でもないです」
「あの時凄かったわね」 
 私も見ていたので覚えています。
「球団減らすとか何とかで」
「その減らされるチームのファンでしたからね、僕」
「当事者ね」
「だから本当に色々ありまして」
 物凄く嫌そうに言いました。
「あの時に比べますと」
「ホークスを応援出来るのね」
「はい、平気です」
 こう言うのでした。
「何があっても」
「新一君も色々あったのね」
「中学の時は暴力教師に会いましたしね」
「他にもおかしな人と会ってきて」
「親戚にもとんでもないのいて」
 そしてここで長池先輩を見て言いました。
 
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