金木犀の許嫁
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第四十六話 鯨を食べてその四
「それでも何も思わず自分が世界一偉いと勘違いし努力せず誰かに寄生して生きているので最早です」
「人ではないですね」
「餓鬼です、餓鬼になれば」
「終わりですね」
「最早。ですから」
それでというのだ。
「私達はです」
「今お話している人の様にはならない」
「そう心に刻んで、です」
「努力することですね」
「人の野力は立場や年齢で決まらない」
「そのことを知って」
そうしてというのだ。
「努力することです」
「それが大事ですね」
「はい、そして」
そのうえでというのだ。
「例え年齢や立場が下の人達からもです」
「学ぶことですね
「そうするといいです、世の中誰もが先生です」
「吉田松陰さんが言われましたね」
「まさにその通りです、誰もがです」
それこそというのだ。
「見るべきところがあります」
「いいところが」
「そして逆にです」
まさにというのだ。
「いいところがなくともです」
「反面教師になりますね」
「今お話している人の様に」
「ああなってはいけないですね」
「そうした意味でもです」
「誰でも先生ですね」
「そしてです」
幸雄は自分の皿の上のベーコンに醤油を垂らした、そしてそれをおかずにご飯を食べつつさらに話した。
「学ぶべきで真昼さんが夜空さんの美点を学ばれるなら」
「いいことですね」
「はい」
まさにというのだ。
「非常にです」
「そうですか」
「ですからこれからもです」
是非にというのだった。
「夜空さんからもです」
「学ぶといいですね」
「左様です」
その通りだというのだ。
「そうされて下さい」
「わかりました」
真昼は確かな声で頷いた。
「それなら」
「そうされますね」
「そうしていきます」
こう答えたのだった。
「やっぱりその方がいいですよね」
「どなたでもです」
「先生ですね」
「そう考えて学ばれて下さい」
「低い心で、ですね」
夜空が言ってきた。
「それで」
「そうです、今お話している人は」
「ふんぞり返っていて」
「高慢、傲慢なです」
「そんな人でしたね」
「尊大とも言っていい」
こうもだ、幸雄は言った。
「そうした人で」
「低い心はですね」
「ありませんでした」
そうだったというのだ。
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