新オズのかかし
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第十二幕その三
「是非ね」
「そうして身だしなみを整えて」
「パーティーに参加しようね」
「是非ね」
「僕もお風呂に入るよ」
トトは尻尾を振って言いました。
「それで奇麗になるよ」
「僕もだよ」
臆病ライオンも言います。
「そうしてパーティーに参加するよ」
「今から楽しみだね」
「全くだね」
「私もお風呂に入って奇麗なタキシードを着て」
魔法使いも言います。
「シルクハットもパーティー用のものにするよ」
「そういえばです」
ナターシャが魔法使いに言ってきました。
「魔法使いさんいつもタキシードにシルクハットですね」
「それがとてもお洒落で」
恵梨香はそれでと言います。
「いいのよね」
「僕達の中で魔法使いさんはお洒落な人で」
それでと言う神宝でした。
「紳士なんだよね」
「タキシードとシルクハットは正装だから」
ジョージもそれでという口調です。
「ダンディでもあるね」
「しかも礼儀正しくて優しくてユーモアがあって」
カルロスは魔法使いのその性格のお話をしました。
「本当の紳士だね」
「いや、私は手品師でね」
魔法使いは五人に笑ってお話しました。
「別にね」
「紳士じゃないんですね」
「その正装は手品師の衣装で」
「別に紳士じゃない」
「そうなんですね」
「魔法使いさんが言われるには」
「そうだよ」
笑顔で言うのでした。
「別にね」
「そうなんですね」
「私達はダンディだと思うんですが」
「それで紳士だって」
「けれどそれは違っていて」
「手品師なんですね」
「そうだよ、生まれも育ちも庶民の」
そうしたというのです。
「ただの手品師だよ」
「ですがいつもタキシードとシルクハットですから」
ナターシャは笑顔でお話する魔法使いに言いました。
「ですから」
「私は紳士なんだ」
「そして物腰に性格も」
「中身がなんだ」
「魔法使いさんは紳士ですよ」
「そう、君は紳士だよ」
かかしも言いました。
「ちゃんとしたね」
「そうなんだね」
「礼儀もマナーも心得ていて」
そうであってというのです。
「穏やかで公平で分別のある」
「本当の紳士かな」
「そうだよ」
まさにというのです。
「魔法使いさんはね」
「そうだと嬉しいね」
「だから今度のパーティーでも」
明日からのというのです。
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