金木犀の許嫁
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第四十四話 色々楽しんでその十二
「まやかしよ」
「それなのね」
「だからそうした作品は読まなくていいのよ」
「大江健三郎も」
「私あの人嫌いだから一作も読んでないし」
そもそもというのだ。
「これからもね」
「読まないのね」
「難解だって言うし考え方がね」
大江健三郎のそれがというのだ、彼は北朝鮮寄りであったがソ連崩壊後韓国について日本を
糾弾したこともあった。尚その時彼と共に何人かの北朝鮮寄りの知識人がそうしている。
「そもそもね」
「嫌いだから」
「それでね」
そうであってというのだ。
「読まないけれどね」
「そうなのね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「聞いてる限りではね」
「難しいのね」
「例えば経済の本だと経済の知識がないとね」
さもないと、というのだ。
「わからないけれどね」
「逆に知識があったら読めるわね」
「そういう本じゃなくてね」
「ただ難しい」
「そんな本はね」
それこそというのだ。
「意味がないのよ」
「だから読まなくていい」
「そうよ」
こう言うのだった。
「別にね」
「そうしていいのね」
「そう、わかる本だけ読んでいけば」
「それでいいのね」
「変な哲学書とか思想書なんてもう何を書いてるのかね」
「わからないのね」
「そっちの知識があってもね」
それでもというのだ。
「冗談抜きで最初から最後まで漢字と横文字の小難しい文章の羅列で」
「わからないのね」
「ウェットとかドライとか。もう文章が下手としかね」
その様にというのだ。
「思えない様な」
「そんな本なの」
「だからね」
「読んでもなのね」
「何もないわね、まずは解読からね」
「何か古文書みたいね」
「そう、そんな感じでね」
それでというのだ。
「難しくてね」
「まず何を書いてるかなのね」
「解読して」
そうしてというのだ。
「理解しないといけないから」
「読んで何がわかるか」
「わからないのよ」
これがというのだ。
「だから解読からね」
「ひつようなのね」
「それで解読しても」
「何を書いてるかわかっても」
「中身なかったりするのよ」
「そうなの」
「本当にウェットとかドライとか書いていても」
またこう言うのだった。
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