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金木犀の許嫁

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第四十四話 色々楽しんでその四

「何かとね」
「面白い国ですよね」
「地味とか言われるけれど」
 それでもというのだ。
「実はね」
「面白い国ですよね」
「どの国も面白いわよ」
「本当にそうですね」
「地味な国って言われても」
「実は違いますね」
「そうよ、それで赤毛のアンはね」
「娘さんまで書いた」
「アンの人生とね」
 それと、というのだ。
「その時代のカナダも書いたね」
「大長編なんですね」
「そうなのよ」
「そう思うと凄い作品ですね」
「そうなのよ」
「三銃士もそうだって聞きました」
 白華は真昼から赤毛のアンが実はそうした作品だと聞いて彼女に対してフランスのこの小説の話をした。
「デュマさんの」
「そうそう、あの作品もね」
「大長編ですね」
「正式なタイトルをダルタニャン物語と言って」
「ダルタニャンさんの人生を書いていますね」
「実在人物でね」
 ダルタニャンはだ。
「元帥にまでなってるのよ」
「出世していますね」
「三銃士それぞれモデルの人がいて」
 そうであってというのだ。
「そうした意味で実在していてね」
「そうなんですね」
「ルイ十三世も王妃さんもリシュリューさんもね」
「実在ですね」
「実在人物がかなり出た」
「そんな作品ですね」
「言うなれば歴史小説ね」
 三銃士即ちダルタニャン物語はというのだ。
「そうなるわ」
「ダルタニャンさんの一生を書いた」
「そうなの、鉄仮面も出るしね」
「あの人も実在人物ですね」
「今も正体がわからないね」
 その為今も色々と言われている。
「全てが謎の人よ」
「その人のこと私も聞いてるけれど」
 夜空も話に入って来た。
「王様の関係者って言われてるのよね」
「ルイ十四世のね」
「太陽王の」
「そう言われているけれど確かなことはね」
 真昼は妹にも答えた。
「今もね」
「わかっていないのね」
「そうなのよ」
 こう話したのだった。
「証拠残っていないから」
「凄い厳重な監視下にあって」
「牢獄の中でね」
「それでお亡くなりになったら」
 夜空はその時のことも話した。
「証拠全部消されたのよね」
「そうなのよ、それでね」
「何もわかってないのね」
「次の王様が誰なのか文書で読んで」
 ルイ十五世だ、ルイ十四世の曾孫にあたる。
「今生きていたら出していたって言ったそうだけれど」
「その文書も残っていないのね」
「その次の王様が王妃様に興味あるからって言われて文書探したけれど」 
 その王がルイ十六世、王妃がマリー=アントワネットだ。こうして見ると歴史は実に面白い移り変わりを見せていると言えようか。 
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