八条学園騒動記
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第七百七十七話 不潔な入浴その六
「香水もね」
「使ってたの」
「もうかなりね」
「そうだったのね」
「だから尚更ね」
香水も多く使っていたからというのだ。
「体臭はね」
「ナポレオンさんはしなかったのね」
「そうみたいよ」
「まあ体臭しないでね」
アロアはそれでと話した。
「清潔ならね」
「それに越したことはないわね」
「しかもね」
アロアはさらに言った。
「彰子の肩凝りも治るし」
「お風呂はいいこと尽くめよ」
「そうよね、ただアンリ四世はお風呂嫌いって」
「何年に一度かしか入らなくてね」
「当時の欧州全体がよね」
「もう滅多にね」
そう言っていいまでにというのだ。
「入らなかったそうよ」
「古代ローマは大好きだったのに」
「何でかね」
それがというのだ。
「そうなったらしいのよ」
「滅多に入らなくなったのね」
「ルイ十四世も大嫌いで」
風呂がというのだ。
「やっぱり体臭がね」
「酷かったのね」
「しかもこの人お腹の調子悪かったから」
おかしな医者の言うことを聞いて歯を全部抜いて慢性的な消化不良に陥ったのだ。
「余計にね」
「ああ、そういうことね」
「そっちの匂いね」
アンネットもアロアも即座に理解した。
「それは困るわね」
「下手な体臭よりもね」
「口臭も酷くて」
歯がなくなり歯磨きが出来なくなったのだ、しかも歯を抜く手術の失敗で口と鼻がつながってしまって尚更であった。
「そのことでもね」
「周りは困ったのね」
「そうだったのね」
「エウロパじゃ王様もね」
エウロパへの偏見も含めて話した。
「そうしてね」
「臭かったのね」
「お風呂に入らなくて」
「そうだったのよ、当時の日本なんてね」
彰子は自分の国の話もした。
「お殿様なんて毎日よ」
「お風呂入ってたのね」
「同じ時代でそこまで違ったのね」
「だからね」
「お殿様は清潔だったのね」
「体臭もしなかったのね」
「そうだったのよ」
こう二人に話した。
「そして今はね」
「皇室の方々がそうね」
「毎日お風呂に入っておられるから」
「それも何度も」
「だからなのね」
「清潔であられて」
そうであられてというのだ。
「体臭なんてね」
「する筈がないわね」
「日本の皇室の方々は」
「そうなの。ただね」
彰子はここで嫌そうな顔になりこの人物の話もした。
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