おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその五十一
「誰だってね」
「わかりますか」
「そうよ」
自分で言っているならです。
「その人の周りにあることないこと言い回るとかね」
「悪いことですね」
「その人を陥れたいんでしょ」
「そうです」
「悪意全開だから」
そうとしか思えません。
「普通は恨まれるわよ」
「嫌いな相手に恨まれてもいいっていうのは」
「よくない考えよ」
言うまでもないと返しました。
「当たり前でしょ」
「嫌われない方がいいですね」
「新一君は嫌い過ぎるのよ」
嫌いになった対象をです。
「もう長所なんて絶対に見ないでしょ」
「見えなくなるみたいですね」
「それがよくないの、そうなるより」
「いい部分を何とかですか」
「見る様にして」
そうしてです。
「少しでも嫌わない様にするの。いつも詰所の新聞読んでオリックスが負けたら大喜びしてるでしょ」
そして勝ったら物凄くりっぷくしています。
「オリックス関係者というか帽子やシャツ見るのも嫌でしょ」
「はい」
その通りという返事でした。
「何もかもが憎くて仕方ないです」
「それも駄目だから」
「嫌い過ぎるとですね」
「オリックスのことになったらいつも憎々し気に言うし」
お顔にも出ています。
「おみちの人は阪神ファン多いけれどね」
「関西の人が多いからですね」
「私もそうだし」
かく言うです。
「お父さんもだし」
「真柱さんの弟さんもですね」
「そう、あの方もね」
実はです。
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