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金木犀の許嫁

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第四十三話 百貨店その四

「おうどんはあっても日持ちするし」
「今度にするのね」
「乾麺買い置きあるけれど」
 うどんはというのだ。
「あと何ヶ月かもつし」
「それでなのね」
「また今度ね」
「天婦羅うどんにするのね」
「そうするわ、そしてね」
 さらに言うのだった。
「お姉ちゃんも天丼でいいわね」
「いいわよ、おうどんも好きだけれど」
 真昼は笑顔で応えた。
「どっちかっていうと」
「天丼か天婦羅うどんの二択になると」
「私は天丼だからね」
 そちらになるからだというのだ。
「だからね」
「それでいいわね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「それじゃあね」
「そういうことでね」
「私も天丼好きです」
 白華も笑顔で応えた。
「それで兄さんもです」
「天丼好きなの、佐京君」
「揚げもの全体が好きでして」
 そうであってというのだ。
「それで、です」
「天丼も好きなの」
「天婦羅も好きで」
「じゃあ天丼でもいいわね」
「そうですね、それで幸雄さんは何でもです」
「お好きなのね」
「はい、勿論天婦羅もそうで」
 そうであってというのだ。
「天丼もです」
「それじゃあね。何か流れで天丼になってるわね」
 今日の夕食で作るメニューはというのだ、真昼は考えながらそのうえで白華に対しても応じて言った。
「どうも」
「そうなってますね」
 白華も確かにと頷いた。
「どうも」
「そうよね」
「ですがそれでもいいですね」
「海老も烏賊も鱚もね」
 天婦羅の具の話もした。
「お野菜でも椎茸でもね」
「丼に入れたご飯の上に乗せますね」
「そうした天丼もいいし」
「卵を使ってもいいですね」
「カツ丼みたいね」
「そちらもいいですね」
「兎に角ね」
 今はというのだった。
「天丼になりそうね」
「そうした流れですね、あとです」
「あと?」
「天かすもいいですよね」
「ああ、あれはいいわよ」
 夜空は天かすと聞いて笑顔で言った。
「色々なものに使えるからね」
「さっきおうどんのお話したけれどおうどんに入れてもいいですね」
「ハイカラうどんね」
「美味しいですよね」
「ちょっとね」
 それこそというのだ。
「おうどんに入れたら」
「味が変わりますね」
「お蕎麦でもね」
「焼きそばでもそうで」
「お好み焼きとかたこ焼きにもね」
「入れますね」
「入れるだけでね」
 その天かすをだ。 
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