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金木犀の許嫁

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第四十三話 百貨店その三

「かきあげ天丼も好きで」
「海老の天丼もよね」
「烏賊や穴子でもね」
「そうよね」
「穴子の天婦羅も好きで」
 真昼はそれでと話した。
「それでね」
「穴子天丼も好きよね」
「天婦羅自体好きでね」
 そうであってというのだ。
「天丼もね」
「好きよね」
「だからね」 
 それでというのだった。
「天丼していいのなら」
「天丼にして食べる?」
「そうさせてもらうわ」
 妹に笑顔で答えた。
「海老かどうかはね」
「後で決めるわね」
「晩ご飯の時にね」
 まさにその時にというのだ。
「そうするわ」
「じゃあお姉ちゃんはそうするわね」
「ええ、楽しみよ」
「それで明日は」 
 夜空はさらに話した。
「天婦羅そのままにして」
「それでなの」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「天婦羅うどんにもね」
「するのね」
「どうかしら」
「天婦羅うどんね」
 一呼吸置いてからだ、真昼は答えた。
「それもいいわね」
「そうでしょ、天丼もいいけれど」
「天婦羅うどんもね」
「それでね」
 だからだというのだ。
「置いておこうかしら」
「沢山作って」
「それで残るから」
 多く作ればというのだ。
「残ったのでね」
「おうどんの上に乗せて」
「天婦羅うどんにしようかしら」
「天婦羅は電子レンジで温めるの」
「それか食べる少し前に冷蔵庫から出して」
「冷えたのが戻って」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「それからね」
「その天婦羅をおうどんの上に乗せるのね」
「そうしようかしら」
 こう姉に話した。
「どうかしら」
「いや、そうしたら天婦羅の味が落ちるでしょ」
 真昼はそれでと答えた。
「冷蔵庫に入れてもね」
「時間が経てば」
「だから天婦羅うどんするなら」
 それならというのだ。
「今日しない?つまりね」
「二択になるわね」
 夜空は自分から言った。
「これは」
「そう、天丼か天婦羅うどんか」
「どっちかね」
「そうなるわ」
「そうね、じゃあご飯あるし」
 夜空はそれでと答えた。 
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