八条学園騒動記
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第七百七十六話 普通にいる幽霊その二
「すうって消えたのよ」
「ああ、それはね」
「幽霊でしょ」
「絶対にね」
「それでその目で見たから信じるのね」
「幽霊の存在をね」
アンネットは真顔で話した。
「私はね」
「そうなのね」
「いや、実際に見たら」
そうすればというのだ。
「信じるわよ」
「百聞は一見に如かずで」
「それでね」
「幽霊信じるのね」
「あれでしょ」
アンネットはアロアに言った。
「幽霊と人間って変わりないのよ」
「ああ、魂が本体で」
アロアもそれでと応えた。
「身体があればね」
「人間でね」
「ないとね」
「幽霊よ」
そうなるというのだ。
「だからね」
「そんなに違わないわね」
「だから幽霊が怖いかっていうと」
「人間と変わらないわね」
「別にね」
冷静な口調で話した。
「これが」
「そうよね」
「だからね」
「初代理事長さんの幽霊も」
「紳士で穏やかで」
そうした幽霊でというのだ。
「全くね」
「怖くなかったのね」
「何でもうちの学園の幽霊や妖怪のトップらしいけれど」
「初代理事長さんだから」
「それでね」
そうであるからだというのだ。
「そうした立場らしいわ」
「そうなのね」
「いや、本当に悪い印象はね」
「受けなかったのね」
「全くね」
そうだったというのだ。
「幽霊でもね」
「まあ怨霊や悪霊じゃなかったら」
彰子はそういった存在でないならと話した。
「確かにね」
「怖くないわね」
「幽霊はね」
「あんたもそう思うわね」
「だって魂が本体でしょ」
アンネットが今言った様にというのだ。
「だったらね」
「人間と同じね」
「身体があるかないかのね」
それだけのというのだ。
「些細と言えば些細な」
「違いだから」
「それでね」
「怖くないわね」
「怖いとしたら」
それはというと。
「人間自体がね」
「そうなるわね」
「怨霊や悪霊になる様な人はね」
「もうね」
「それ自体がね」
まさにというのだ。
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