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博士の挑戦状

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第百九十八話

              第百九十八話  ドンキーコング
 小田切君はファミコンのドンキーコングをプレイしてみた、プレイ自体は何の問題もなく進んでいくが。
 プレイしつつだ、小田切君は博士に言った。
「一画面で敵の動きも単純で」
「わかりやすいな」
「今のゲームと比べますと」 
 それこそというのだ。
「物凄く単純で」
「さくさく進めるな」
「ゲームに慣れていましたら」
 それこそというのだ。
「準備体操みたいなものです」
「そうじゃな、しかしな」
 博士は小田切君に笑って言った。
「それが面白いであろう」
「はい」 
 小田切君はまさにと答えた。
「かなり」
「そうじゃ、これが原点じゃ」
「ゲームのですね」
「一画面しかなくな」
 そうしてというのだ。
「敵の動きも決まっておってな」
「操作も単純で」
「今プレイするとな」
 それこそというのだ。
「これが面白いな」
「はい、かなり」
「当時の技術ではこれが精一杯であった」
 ゲームを制作するにはというのだ。
「この程度と言われてもな」
「精一杯だったんですね」
「そう、その精一杯がな」
「努力の結晶ですね」
「九十九パーセントのそれとな」
「一パーセントの閃きですね」
「それがあるからじゃ」
 だからこそというのだ。
「今プレイしても面白いのじゃ」
「そういうことですね」
「そういうことじゃ」
「当時の努力と閃きですか」
「その二つがあればな」
「時代を超えて面白いんですね」
「そしてそこからな」
 博士は小田切君にさらに話した。
「ファミコンの歴史がはじまるのじゃ」
「このドンキーコングから」
「そうじゃ、そして他にもな」
「ソフトは一杯ありますね」
「そういったものをやっていくとよい」 
 博士は小田切君に微笑んで話した、その微笑みはまるで古代の遺跡を見せているかの様であった。


第百九十八話   完


                 2024・8・30 
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