新オズのかかし
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第八幕その九
「ですから」
「それでだね」
「今もだね」
「船や海の歌を歌っています」
「そうしているんだね」
「今も」
「そうです」
まさにというのです。
「僕達は」
「あの」
ここでナターシャがジムに尋ねました、ライム汁を入れた子供用のアルコールがないラム酒を飲んでからです。
「お聞きしたいことがありますが」
「何かな」
「ジムさん達は冒険をされましたね」
「そう、それが今の僕達のはじまりだよ」
「それで多くのお宝も得ましたけれど」
「ああ、そのお宝は今何処にあるか」
「はい、一体」
このことを尋ねるのでした。
「何処にありますか」
「それはね」
ジムは笑顔で答えました。
「あるけれど使ってないよ」
「そうなんですか」
「だってオズの国にはおお金がないね」
「はい」
ナターシャはその通りだと答えました。
「お金がなくても何でも手に入ります」
「お店もあるけれどね」
「お店でもですね」
「普通にお金を使わないでね」
「笑顔が代金ですね」
「そうだからね」
そうした国だからだというのです。
「お宝は近所の山の洞窟にあるけれど」
「あるだけですか」
「そうだよ」
こうお話しました。
「あのお宝はね」
「そうなんですね」
「わしももう見向きもしないよ」
そのお宝を何としても手に入れようとしていたジョンの言葉です。
「オズの国では使わないからね」
「だからですね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「全くね」
「使わないですね」
「もうね」
実際にというのです。
「わしも」
「そうなんですね」
「それにね」
ベンは微笑んでお話しました。
「僕達は今本物のお宝をいつも持っているしね」
「それは何ですか?」
「友情だよ」
こう言うのでした。
「こうして一緒に楽しく暮らすね」
「その友情ですか」
「それが本当のね」
「皆さんのお宝で」
「それでね」
そうであってというのです。
「今こうしてね」
「一緒にいて」
「それでね」
「幸せですか」
「そうだよ」
「この四人に」
フリントも言います。
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