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神々の塔

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第八十九話 最後の戦の前にその一

               第八十九話  最後の戦の前に
 イエス=キリストが与えた試練を乗り越えた一行はさらに先を進んでいた、今度は背が高く視界さえ詐欺っている稲穂に満ちた水田地帯を進んでいた。
 その稲達を見てだ、トウェインは言った。
「この水田弥生時代のもんやな」
「そやで、この頃は稲が高くてやねん」
 綾乃が応えて話した。
「しかもお水も深くて」
「沼地みたいやったな」
「そやってん」
「それでやな」
 トウェインは足元から来る小さな獣達を倒しつつ応えた。
「迷宮にもなるな」
「そやねん」
「そういうことか」
「昔は麦もやったね」
「ああ、背が高くてな」
 トウェインはそれでと答えた。
「人も隠れる位やった」
「誰かさんと誰かさんが麦畑やね」
「そういうことする時にもな」
「隠れることが出来たね」
「それで夜せんとな」
 中世の欧州ではだ。
「お昼にしてたんや」
「麦畑の中で」
「そやったわ」
「あの頃のベッドはな」
 メルヴィルは寝具の話をした。
「貴族さん達のもんやったが」
「座って寝るもんでな」
「完全に熟睡せん様にな」
「何時敵が来るかわからんさかいな」 
 だからだというのだ。
「背もたれの部分が高くてな」
「座って寝るもんでな」
「周りに燭台を置いてな」
「敵が来ても見える様にして」
「そして寝てたわ」
「それやと夜そうしたことはな」
「出来る筈がないわ」
 到底というのだ。
「この世界ではそうした風やないが」
「ベッドに寝転がっててな」
 そうして睡眠を摂りというのだ。
「夜してるわ」
「そうしたことはな」
「そこがな」
 どうにもというのだ。
「またちゃうわ」
「ほんまな」
「この水田もな」
 施は上から来た昆虫の獣達を倒して言った、見れば蜻蛉やら蠅やらが結婚飛んでいて食物連鎖も起こっている。
「稲の背が高いさかいな」
「厄介やな」 
 トウェインは施にも応えた。
「ほんまな」
「何時敵が出て来るかわからんからな」
「そして獣やモンスターが数もな」
「多いな」
「ああ、水に植物があるさかい」
 この二つがというのだ。
「それでな」
「獣も多いな」
「水田は生きものも育てるか」
「そや」
 稲だけでなくというのだ。 
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