不気味な痣
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第二章
「お祓い行って来るな」
「すぐに行かないの」
「一月で消えたらたまたまだろ」
そうした形の痣になっただけだというのだ。
「だからな」
「それでなのね」
「今はな」
「様子見るのね」
「そうするよ」
こう言って実際に状況を見守った、そして。
痣は徐々に消えていき一月経つとだった。
「完全に消えてるじゃない」
「この通りな」
白河は家で今日子に自分の腕を見せつつ話した。
「なくなったよ」
「じゃあ呪いじゃなかったのね」
「祟りでもな」
「それはよかったわね」
「ああ、変な痣とかが出来てもな」
それでもというのだ。
「すぐに呪いとか祟りとか言うのもな」
「よくないのね」
「まずはよく見て」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「やっていくことね」
「そうだよ、そりゃ一月で消えなかったら」
その時はというのだ。
「もう僕だってな」
「お祓い行ってたのね」
「そうしてたよ、けれどそうじゃなかったから」
だからだというのだ。
「よかったよ、じゃあ痣は消えたし」
「よかったわね」
「本当にね」
笑顔で言った、そうしてだった。
白河はすぐに痣のことを忘れた、それは今日子も同じで話題に上げることすらなかった。周りもそうで誰ももう言うことはなかったのだった。
不気味な痣 完
2024・11・16
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