不気味な痣
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第一章
不気味な痣
白河昭信は高校に行く途中自転車で派手にこけた、幸い骨や人体への影響はなかったが左手を強く打ち。
痣が出来た、そしてその痣が。
「おい、その痣何だよ」
「目みたいだな」
「また変な痣だな」
「気持ち悪いな」
「こんな痣出来るなんてな」
白川自身も戸惑った、丸い目に蛸の様な唇で黒髪はスポーツ刈りであり。面長で背は一七五位で痩せている。
「何でだよ」
「普通の打ち身だよな」
「それで出来た痣だよな」
「けれど呪いみたいだな」
「どうも」
「ああ、ただ今は冬だしな」
この季節だからだというのだ。
「長袖だしな」
「それで隠せるな」
「よかったな」
「このことはな」
「本当にな」
「全くだよ」
こう言って長袖でその痣を隠した、学校ではそれで問題なく。
家でもそうだったが家で中学二年の妹の今日子小柄で明るい顔立ちで小さな顔に黒いショートヘアで胸の大きな彼女に言われた。
「お兄ちゃんお祓い行ったら?」
「痣のことでか?」
「うん、やっぱりね」
怪訝な顔で言うのだった。
「普通目みたいな形にならないから」
「痣が出来てもな」
「人面瘡ってあるし」
「あれ呪いとか祟りだよな」
「それでその痣もね」
今白河の左腕にあるそれもというのだ。
「若しかしたらね」
「呪いか祟りかも知れないか」
「だからね」
それでというのだ。
「お祓い行ってきたら?」
「まあ一月経って消えないならな」
兄は妹にそれならと答えた。
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