星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその二十三
「やはりです」
「気付かないで」
「まさに素通りで」
それでというのだ。
「断わってばかりでプレゼントもです」
「受け取ってもなのね」
「そこにあるものはです」
贈り主の想いはというのだ。
「全くです」
「気付かないのね」
「その様です」
「プレゼントはね」
所謂付け届けである、連合では礼儀であり出すのも受けるのも何も法的に問題はない。ただし賄賂は別である。そこに要望があるかどうかなのだ。
「別にね」
「受けてもですね」
「よくてね」
「受けない方がですね」
「礼儀に反するわ、けれど」
「そこにある気持ちにですね」
「気付かないことはね」
伊東は微妙な顔になって述べた。
「彼らしいけれど」
「困ったことですね」
「ええ、賄賂はアウトだけれど」
「プレゼントはですね」
「よくてね、そこにある気持ちはね」
これはというのだ。
「気付かないと駄目よ」
「そうですね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「彼は恋愛のことはね」
「そうした風だからですね」
「相変わらずなのよ」
「そうですね」
「もういい年齢だから」
結婚をするにはというのだ。
「私としてもね」
「身を固められてもですね」
「いい、いえ」
「もうですね」
「そうすべきと思っているけれど」
これがというのだ。
「彼についてはね」
「どうしてもですね」
「そこがね」
「残念ですね」
「ええ」
実にというのだ。
「八条家の方も困っているみたいね」
「時期総帥、当主が今も独身では」
「少しね」
「独身が悪い訳ではないですが」
それでもというのだ。
「やはり結婚されて」
「伴侶がいるとね」
「違いますね」
「傍にいつも誰かがいてくれて」
そうしてというのだ。
「支えてくれているとね」
「それだけで違いますね」
「ええ、独身ではね」
「そうした人がいないので」
「そこがネックになるわ」
「左様ですね」
「彼はそうしたことがね」
八条派というのだ。
「わかっていないわ」
「残念なことに」
「だからね」
それでというのだ。
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