ハッピークローバー
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第百四十八話 本物その七
「白がいいっていう男の人もね」
「いるのね」
「黒だからいやらしい白だと違うっていうのね」
そうした考えはというと。
「人それぞれよ」
「主観なのね」
「それだけのことよ」
「そうなのね」
「けれど透けたり着崩すと」
かな恵に注意したこのことはというと。
「変に刺激して危ないから」
「しないことね」
「あんたもね」
一華もというのだ。
「いいわね」
「女の子は誰でもなのね」
「そうよ、あんたも可愛いしスタイルいいし」
「スタイルいいかしら」
「いいわよ」
「かな恵みたいに胸大きくないけれど」
「胸だけがスタイルじゃないから」
だからだというのだ。
「あんたは全体的にバランスが取れていて」
「スタイルいいのね」
「だから尚更ね」
それこそというのだ。
「着崩したりしないでね」
「真面目に着ることね」
「そうしてね、皆ね」
「ちゃんと着物着ることね」
「幽霊のね、あとね」
「あと?」
「本物が来るかもね」
笑ってこうも言ったのだった。
「この学園にいるね」
「幽霊が」
「いや、妖怪さんよ」
「そっちの人達が来るの」
「あの人達実はお昼もいるでしょ」
「そうそう、基本夜型だけれどね」
「人が見えない場所にこっそりとね」
「潜んでいてね」
「それで悪戯とか人驚かせるの好きだから」
妖怪の生きがいであり仕事であると言っていい、そうしたことをしない妖怪もそうはいないであろう。
「だからね」
「それでよね」
「そう、だから若し出て来ても」
「騒がないことね」
「この学園はいるから」
八条学園はというのだ。
「妖怪も幽霊もね」
「保育園から大学までね」
「この学園施設に動物園や植物園もあって」
「博物館も水族館もね」
「鉄道博物館まであって」
「美術館も大きな図書館もあるわね」
「その全部にあるから」
幽霊や妖怪が出る話がだ。
「それぞれ七不思議位あって」
「合わせて百は普通にあるわね」
「寮にもあるしね」
「世界屈指の妖怪スポットよね」
「だからね」
それでというのだ。
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