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金木犀の許嫁

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第四十話 昔の忍者その十五

「本当に色々な場所行ってね」
「色々あったからね」
「織田作さんご本人にもお会いして」
「内容濃かったね」
「そうだったから」
 だからだというのだ。
「そう思えるね」
「そうよね、何かね」
 夜空は微笑んでこうも言った。
「今日は私達にとって大きな一日だったかもね」
「何かと学べた」
「そうしたね」 
 その様というのだ。
「凄くね」
「充実していて」
「大切なことを知ることが出来た」
「そうした日だったから」
「だからね」 
 夜空も言うのだった。
「久し振りに戻って来た」
「そうも思えるね」
「そうね、こうした日もあるのね」
「生きてるとね」
「そうだね、じゃあね」
「帰ろう」
 家の中にとだ、佐京は言った。
「今からね」
「そうしましょう」
「それで帰ったら」
 佐京はそれからのことも話した。
「お茶飲む?」
「そうね、ほっとね」
「一息つこう」
「まずはね」
「お茶は何でもいいね」
「ええ、日本茶でもね」
 夜空もこだわらなかった。
「いいわ、まずはね」
「ほっとしたいね」
「そうよね」
「色々あってね」
「疲れもしたし」
「だからね」
 それでというのだ。
「お家の中に入ったら」
「まずはお茶ね」
「そして飲んでから」
「色々すればいいわね」
「俺修行するから」
 忍術のそれをというのだ。
「お茶を飲んだらね」
「それからはなのね」
「うん、ほっとしたらね」
 その後はというのだ。
「そうするよ」
「私は晩ご飯の用意するわ」
 夜空は微笑んでこちらをと答えた。
「そうするわ」
「晩ご飯のなんだ」
「今日はお魚を煮るから」
 メニューの話もした。
「カレイをね」
「それ煮てくれるんだ」
「カレイは煮る方が美味しいと思うの」
 この魚はというのだ。
「焼くよりも」
「ご飯に合うよね」
 カレイの煮ものとはとだ、佐京は答えた。
「本当に」
「そうよね、そのこともあってね」
「煮ることにしたんだ」
「そうなの」
「それじゃあね」
「今からね」
「それぞれやることやろう」
 家に入ってというのだ、こう話してだった。
 二人は実際に家に入ってそれぞれのやるべきことに入った、デートを終えた二人は日常に戻ったが幸せはそのままだった。


第四十話   完


                   2024・9・1 
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