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新オズのかかし

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第七幕その五

「これがね」
「そうなんだね」
「だからね」
 それでというのです。
「今はね」
「外は難破船でも」
「中身はね」
「別荘になっているんだ」
「海の中のね」
「それは面白いね」
 トトはお話を聞いて実際にそう思いました。
「オズの国らしいね」
「全くだね」
「思い出の船が今ではだね」
「別荘でね」
「快適に暮らせるんだね」
「その中でね」
「そうなってるね、それじゃあ」
 ロビンソンさんにあらためて言いました。
「今からだね」
「このヨットで行くんだね」
 砂浜には丁度一隻のヨットがありました、臆病ライオンはそのヨットを見てそのうえで言いました。
「そうだね」
「そうだよ、ヨットは私が動かすから」
 だからだというのです。
「安心してね」
「ロビンソンさんヨットも動かせるんだ」
「今はね」
「海の人になったんだね」
「そうだよ、ヨットも趣味になって」
 それでというのです。
「楽しんでいるよ」
「それは何よりだね」
「フライデーはボートで行ったけれど」
「僕達はだね」
「そう、ヨットで行こうね」
「そうしようね」
 臆病ライオンも笑顔で頷いてでした。
 そのうえで皆でヨットに乗って難破船に行きました、船に着くとです。
 甲板から褐色の肌の若い男の人が出て来てです、そして言ってきました。
「あれっ、もう来られたんですね」
「そうなんだ」
 ロビンソンさんはヨットの上から応えました。
「今日とは聞いていたね、フライデーも」
「はい、ですがお昼と思っていました」
「こんなに早くとはだね」
「思いませんでした、まだ九時ですよ」
「あっ、そうだね」   
 魔法使いは自分の左手の腕時計で時間を確認して言いました。
「今丁度だね」
「九時ですよね」
「だからね」
「そういえば私達は朝かなり早くこの島に来たよ」
「七時位だったわね」
 ドロシーも言います。
「そうね」
「うん、ちょっと早く来過ぎたかな」
「そうかも知れないわね」
「いやいや、早いなら早いでいいです」
 フライデーはドロシー達に笑って言いました。
「それじゃあ船の中にです」
「入っていいのね」
「是非、それで楽しくやりましょう」
「それじゃあね」
「さて、では中に入ろう」 
 かかしも言いました。
「これからね」
「実はそこから中に入られますよ」
 フライデーがかかしに言ってきました。
「ドアがありまして」
「あっ、これだね」
 船の船首にありました。 
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