新オズのかかし
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第七幕その四
「そうさせてもらうよ」
「宜しくお願いします」
「是非案内して下さい」
「まさかあの難破船もあるなんて」
「ロビンソンが乗っておられた」
「凄いですね」
「オズの国に来た時はね」
ロビンソンさんはその時のこともお話しました。
「もうこの島にいたんだ」
「そうだったんだね」
「うん、それでね」
ロビンソンさんはかかしに応えて言いました。
「フライデーも生きものも一緒でね」
「家族に親戚の人達もだね」
「二人の兄さん達までいたから」
だからだというのです。
「嬉しかったよ、父さんと母さんもいて」
「ご家族もだね」
「そしてね」
それでというのです。
「それぞれこの島にお家を構えて」
「暮らしているね」
「そうだよ、楽しくね」
「そうだね」
「そしてお家もあって」
「難破船もだね」
「あってね」
それでというのです。
「明るく楽しくね」
「暮らしているね」
「この島でね、じゃあ案内するよ」
難破船をとです、こうお話してでした。
皆で難破船がある砂浜にまで行きました、その砂浜は皆がヘリコプターを着陸させた砂浜とは正反対の方にありました。
難破船は海にあります、ナターシャ達五人はその船を見て言いました。
「まさにあのままで」
「この島にあるんですね」
「まさにあのままですね」
「ロビンソンさんが乗って難破した」
「その船ですね」
「そうだよ、そのままね」
ロビンソンさんは笑顔でお話しました。
「この島にあるんだ」
「あの、それで中は」
ナターシャはロビンソンさんに尋ねました。
「今はどうなっていますか?」
「難破船のだね」
「はい、中は」
「外から見れば難破船だけれど」
「中は違うんですね」
「そうだよ」
ナターシャににこりと笑ってお話しました。
「今ね」
「そうなんですね」
「住むことも出来て倉庫もあって」
そうしてというのです。
「電化製品もあるんだ」
「そうですか」
「それでフライデーはね」
「今は、ですか」
「難破船の中にいるんだ」
「あれっ、お家あるよね」
ここでトトが言いました。
「フライデーさんも」
「あるよ、ちゃんとね」
「そうだよね、じゃあ」
「そう、実は難破船は別荘でもあるんだ」
ロビンソンさんはトトにも笑顔でお話しました。
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