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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その七十二

「跡継ぎのない家にだ」
「入ってもいいですね」
「その様にしてもいいですね」
「平民でも」
「階級は違うが」 
 それは確かだがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「優秀な者は優秀です」
「そして優秀ならですね」
「貴族に列する」
「家を継がせてもいいですね」
「貴族の家は続いてこそだ」
 こうも言うのだった。
「やはりだ」
「意味がありますね」
「歴史が続いてこそ」
「それでこそですね」
「そうだ、だからだ」
 血筋の話もするのだった。
「優秀な者ならな」
「例え平民でもですね」
「家を継いでもらい」
「そこで貴族になってもらいますね」
「その家の心を受け継いでもらってだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「さらにですね」
「その家を続けてもらい」
「そして栄えさせてももらいますね」
「家が断絶すること程残念なことではない」
 貴族にとってはというのだ。
「だからな」
「それ故にですね」
「家を続けてもらう」
「どの家にも」
「婿入りでも養子縁組でもな」
 そのどれでもというのだ。
「いい、平民の家でも続くことが重要だしな」 
「はい、それはです」
「我々も同じです」
「代々カミュ家にお仕えしています」
「その誇りがあります」
 使用人達もカミュに答えた。
「それは確かにあります」
「否定出来るものではありません」
「どうしても」
「それはあります」
「だからな」
 それでというのだ。
「平民も同じだ、しかし貴族はな」
「貴族であるが故に」
「尚更ですね」
「それは重要ですね」
「続けさせることは」
「それはまさに絶対だ、だから子が生まれない時はだ」 
 どうしてもというのだ。
「厄介なことになる」
「よくあることではありますね」
「跡継ぎの方がおられないと」
「それだけで問題です」
「その家にとって深刻な問題です」
「格式が高ければ高い程な」
 この場合は爵位の意味も大きい。 
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