星河の覇皇
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第八十七部第三章 港の整備その七十一
「しかしだ」
「功績を挙げられました」
「エウロパの政界において」
「首相として見事な手腕を発揮され」
「その功績により貴族に列せられました」
「そうなった、肩に剣を受けられた」
貴族の叙任式のことである。
「そうしてだ」
「そして、でしたね」
「カミュ家ははじまりましたね」
「我がカミュ家も最初は平民でした」
「ごく普通の」
「あの方は幼い頃より英邁な方でだ」
カミュ家の開祖フランソワ、彼はというのだ。
「ソルボンヌ大学を首席で卒業されてな」
「旦那様と同じ大学ですね」
「遥かに昔ですが」
「左様ですね」
「そして高級官僚になりな」
そのうえでというのだ。
「そこで頭角を表され」
「そしてでしたね」
「官界から政界にスカウトされ」
「エウロパを発展させる法案を次々と出して成立させ」
「改革派でも知られる議員となり」
「そして閣僚や要職を多く歴任され」
「首相となられてだ」
そうしてというのだ。
「そこでもだ」
「多くの功績を挙げられ」
「そして、でしたね」
「当時のエウロパ総統より爵位を授けられましたね」
「その功績を讃えられて」
「そこからカミュ家ははじまった」
まさにというのだ。
「それを見るとな」
「はい、実際にですね」
「貴族にになるにはですね」
「まずは心ですね」
「それによってなるものですね」
「そうだ、誰もが最初は平民だ」
貴族ではないというのだ。
「貴族になるのはな」
「まずは心」
「貴族に相応しい心ですね」
「それによってなりますね」
「そしてその心が子孫に受け継がれるからだ」
教育によってそうなるからだというのだ。
「血筋は重要だ」
「左様ですね」
「貴族はそれによってなりますね」
「心によって」
「左様ですね」
「だからだ」
それでというのだ。
「私も今こう言うのだ」
「貴族は心と血筋によってなる」
「しかしまずは心である」
「それによってなりますね」
「そうなる、それで思うことだが」
カミュはさらに話した。
「功績がある者はこれからもな」
「貴族に列するべきですね」
「我がエウロパは」
「そうあるべきですね」
「有能ならな、爵位を与えてもよいしだ」
それにとだ、カミュはさらに話した。それはエウロパの国情を見てかつエウロパの者として考えている言葉だった。
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