金木犀の許嫁
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第四十話 昔の忍者その六
「ほんまな、けどな」
「それがですね」
「スマホが普及して」
そうなりというのだ。
「そこでゲーム出来る様になってな」
「ゲームセンターがなくなったんですね」
「インベーダーゲームから定着したんやけどな」
それがというのだ。
「それがな」
「今はですね」
「大阪中で減っていっててな」
やはり残念そうに話した。
「難波でもな」
「減ってますか」
「あんな繁華街にはもっとあるべきでな」
「昔はもっとあったんですね」
「それが減った、ほんまな」
「それが残念ですね」
「それでゲーセンにもあったんや」
佐京に寂しさを思いつつも話した。
「忍者のゲームがな」
「そうだったんですね」
「それで今もな」
「忍者ゲーム自体はですね」
「出ててな」
それでというのだ。
「嬉しいわ」
「そうなんですね」
「わしが書いた様なもんと違ってもな」
「あること自体がですね」
「嬉しいわ」
「そうですか」
「ほんまな、形は変わってもな」
それでもというのだ。
「それがずっとあることはな」
「嬉しいことですね」
「そう思うわ、こう思うのってな」
織田はこうも言った。
「爺さんみたいやな、まあ私も大正生まれやしな」
「そうでしたね」
夜空は織田の今の言葉に頷いて応えた。
「織田作さんは」
「そや、それでな」
「大正の考えや流行がですね」
「あってな」
それでというのだ。
「ほんまな」
「好みもですね」
「それがあるわ」
「そうですか」
「どうしてもな」
自分から言うのだった。
「令和の今とはちゃうわ」
「ですがずっと大阪におられて」
佐京がそれでと言ってきた。
「これまでの平成や令和の流行も」
「それでもな、根っこにや」
「大正がありますか」
「そしてそれが出るわ」
「そうですか」
「そのことはな」
どうしてもというのだ。
「私も言うわ」
「そうですか」
「そや、大正もな」
これもというのだ。
「ええけどな、今とはな」
「何かと違いますね」
「このファッションもな」
今の着流しの着物の上にマントを羽織りボルサリーノを被ったそれもというのだ。
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