九月のことについての反省

「滅茶苦茶に負けて」
「四位だな」
「優勝無理かって思ったら」　
　それがというのだ。
「優勝どころかね」
「三位からも落ちてな」
「四位よ」
「クライマックスも逃したな」
「そして三位に上がったベイスターズがよ」
「今勝ったよ」
「信じられないわ、九月に入るまでは」
　まさにそれまではというのだ。
「いけると思ったのが」
「去年のホークスも凄かったけれどな」
「十二連敗でね」
「そのホークスより上か」
「ホークス三位だったでしょ」
　去年のこのチームはというのだ。
「それがよ」
「統計を破壊してか」
「四位よ、本当に絶望したわ」
「それで諦めるか？」
　絶望したからといってとだ、兄は妹に問うた。
「千佳は」
「来年駄目だとか？」
「思うか？」
「思う筈ないでしょ」
　妹は即答で答えた。
「そんなのはね」
「思わないな」
「ええ、今年の悔しさをバネによ」
　そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「来年戦うな」
「来年は優勝して」
　今年の雪辱をバネにしてというのだ。
「そのうえでね」
「雪辱を晴らすんだな」
「そうするわ」
　絶対にというのだ。
「もうね」
「そうか、それならな」　
　兄は妹の返事を聞いて述べた。
「優秀争うか」
「阪神とね」
「巨人を叩きのめしてな」
「そうしましょう、ただね」
　ここで千佳はこうも言った。
「反省はするわ」
「どうしてこうなったのか」
「ええ」
「そうするんだな」
「強くなる為には駄目だったところを反省しないと駄目でしょ」
「勉強だってそうだしな」
　寿は優等生として答えた。
「千佳だって成績悪くないしな」
「学校のお勉強も苦手があったら反省して」
「そこをちゃんと勉強しないといけないんだ」
「だからね」
　そうであるからだというのだ。
「カープもよ」
「反省しないとな」
「そう、やっぱり打線よ」
　千佳は言い切った。
「もう打線がね」
「打たなかったな、それを言うと」
　寿も真面目な顔で述べた。
「阪神にしても」
「打たなかったわね」
「去年より遥かにだよ」
「けれどカープはさらにね」
「打たなかったな」
「だから得失点差あまりないのよ」
　この現実を指摘した。