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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その六十二

「しかしだ」
「適材適所ですね」
「それですね」
「それが出来るかどうかですね」
「それが重要ですね」
「そうだ、そしてだ」
 そのモンサルヴァートの話を続けた。
「モンサルヴァート卿は出来ている」
「左様ですね」
「それが出来ているからですね」
「この人選ですね」
「それが出来ていますね」
「また言うが優秀な人材がいてもな」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「適材適所が出来ていないとですね」
「それではですね」
「まともには動かないですね」
「諜報員に向いている者を参謀に出来るか」 
 カミュは言った。
「果たしてな」
「ジェームス=ボンドが参謀になれるか」
「同じ軍人でも」
「優秀な人材でもですね」
「それはどうか、ですね」
「それはもう自明の理だ」
 それこそというのだ。
「そうだな」
「はい、ジェームス=ボンドを知っていれば」
「まさか知らない人がいるか」
「連合やマウリアでもよく知られています」
「そうした人物なので」
「彼は超人と言っていい」
 ジェームス=ボンド、彼はというのだ。
「まさにな」
「左様ですね」
「そうですね」
「何があっても任務を果たします」
「それも鮮やかに」
「それを果たしてくれます」
「多少以上に女性が好きで快楽主義者だ」
 これもまた彼の特徴だ。
「しかし優秀な人材だ、極めてな」
「左様ですね」
「そのことは事実ですね」
「ジェームス=ボンドは優秀です」
「それも極めて」
「だが参謀になれるか」
 その彼はというのだ。
「果たして」
「それは無理ですね」
「確かに諜報員としては素晴らしいです」
「まさにスーパースターです」
「そうなっています」
「ですが」
「それでもだ、彼はどう見ても参謀適性はない」
 全くというのだ。
「だから参謀にはなれない」
「左様ですね」
「それは無理ですね」
「その彼を参謀にするなぞ」
「人を見る目がないとしか言えないですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「そこは重要だ」
「例え優秀な人材がいてもですね」
「適材適所ですね」
「それが重要ですね」
「左様ですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。 
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