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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その六十一

「重大な任務だけにな」
「それ故にですね」
「有能な人材を選んでいますね」
「まさに精鋭です」
「軍の中でも」
「そうだな、この顔触れならだ」
 それならというのだ。
「確実にだ」
「成功しますね」
「暗黒宙域の踏破は」
「そうなりますね」
「彼等がいる間はな、しかしだ」
 ここでカミュはこうも言った。
「一つ問題がある」
「はい、任期ですね」
「軍人にはそれがあります」
「一つの場所に長年いられません」
「二年か三年で転勤です」
「そうなるからだ」
 それでというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「それ故にですね」
「その後はどうか」
「彼等の任期の後は」
「そうした問題がある、だがその時もだ」
 カミュはさらに言った。
「今のエウロパ軍には有望な人材が多い」
「だからですね」
「それではですね」
「次の人材も期待出来ますね」
「左様ですね」
「そうだ、暗黒宙域の踏破は二年や三年では出来ない」
 今の人材の任期ではというのだ。
「とてもな、だからだ」
「それで、ですね」
「長年かかる」
「そのことは理解しておくことですね」
「我々も
「十年や二十年はかかる」
 それだけはというのだ、このことはカミュだけでなく多くの者が思っていることだ。他ならぬギルフォードもだ。
「だからな」
「後の任期もですね」
「それも問題ですね」
「左様ですね」
「それからも」
「そうだ、だがこの二年や三年はな」
 それだけはというのだ。
「問題ない」
「それではですね」
「我々はですね」
「問題なく進めますね」
「暗黒宙域の踏破は」
「進める、流石はモンサルヴァート卿だ」
 彼の人生を褒めもした。
「よく見ている」
「左様ですね」
「戦場でも軍務でも見事ですが」
「人選でもですね」
「そちらでも見事ですね」
「優秀な人材がいてもだ」
 それでもとだ、カミュはさらに話した。 
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