八条学園騒動記
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第七百七十三話 サウナその七
「本当にね」
「実際にこうしてね」
「スーパー銭湯もあって」
「しかも多いしね」
「だからね」
それでというのだ。
「本当にね」
「多いわね、ただね」
「ただ?」
「いや、日本人って露天風呂がね」
この風呂がというのだ。
「徳に好きよね」
「温泉とかね」
「そう、それにね」
アロアはさらに言った。
「ここもそうだしスーパー銭湯にはね」
「日本だとね」
彰子も応えて言った。
「露天風呂は絶対にね」
「あるわね」
「ないスーパー銭湯なんて」
それこそというのだ。
「ないわ」
「そうよね」
「本当にないと」
さもないと、というのだ。
「何か違うわ」
「そこまでよね」
「そうそう、露天風呂ってね」
アンネットはこう言った。
「昔のロシアじゃね」
「なかったわね」
「とてもね」
それこそというのだ。
「考えられなかったわ」
「そうよね」
「だってね」
「寒いから」
「そう、寒いから」
それ故にというのだ。
「露天風呂、お湯のね」
「そうしたお風呂はなかったわね」
「裸にお外に出たら」
「即座に凍死ね」
「昔はお酒飲んで」
この時代でもロシア人はよく酒を飲む、アンネットにしても大好きでしょっちゅう飲んでいる程である。
「そうして凍死する人多かったし」
「ああ、お外に出て」
「そのまま酔い潰れてね」
「そうしてよね」
「そんなお国柄だから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「お外で裸になるなんて」
「もうね」
それこそというのだ。
「考えられなかったわ」
「そうだったのね」
「ええ、今はあるけれどね」
その露天風呂もというのだ。
「けれどね」
「それでもよね」
「もうね」
それこそというのだ。
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