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神々の塔

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第八十七話 釈迦如来その二

「それに猿人やからな」
「孫悟空さんのこと思い出してな」
「お釈迦さんと戦うとなるとな」
「緊張するわ」
「そやな」
「西遊記やとな」
 施は孫悟空が出て来るその作品のことを話した、この作品からこの神霊は生まれ定着したのである。
「最初にや」
「孫悟空さんが大暴れしてな」
「天界でな」
「それで天帝さんがお釈迦さんに頼んで」
「それでや」
「お釈迦さんの掌から出る」
「そうすれば孫悟空さんの勝ちやったが」
 その釈迦如来が言ったことだ。
「簡単に出られると思ったら」
「掌の上を飛んでるだけやったな」
 メルヴィルも言ってきた。
「そやったな」
「そや」 
 施もまさにと答えた。
「それでな」
「そのうえでやな」
「負けてな」
「五百年石の中におったな」
「そうなってな」
 そしてというのだ。
「三蔵法師さんが来てな」
「一緒に旅することになったな」
「そうなったわ」
「それが西遊記の物語やな」
「そのお釈迦さんと戦う」
 施は真剣な顔でさらに言った。
「そう思うだけでな」
「緊張するな」
「ああ、あの孫悟空さんでもな」
 一人で天界を暴れ回った様な彼がというのだ。
「全くや」
「相手にならんかった」
「ほんま掌の上でな」
「飛んでるだけやったな」
「そんな神霊さんとな」
「これから戦うとなると」
「果たして勝てるか」
 真剣な顔で言うのだった。
「不安でもある」
「そうなんやな」
「自分としてはな」
「まあこの塔に入るまでやとな」
 それこそとだ、トウエインは冷静に話した。
「敵わんかったわ」
「お釈迦さんに」
「ああ、わい等もその時はな」
「今より弱かったな」
「そして孫悟空さんは一人やったな」
「その時はな」
「しかしや」
 それでもというのだった。
「わい等は十人」
「それやとやな」
「勝てる」
「強うなってしかも十人おる」
「十人で力を合わせれば」 
 そうすればというのだ。
「絶対にや」
「勝てるな」
「そや」
 まさにというのだ。 
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