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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その五十八

「軍務の経験がなくともだ」
「指揮にあたらねばならないですね」
「軍の最高司令官だけに」
「そうなりますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「過去軍務の経験がない総統もだ」
「数多かったですね」
「むしろ大抵ですね」
「ギルフォード閣下も基本そうですし」
「元々はイギリスの議員であられ」
「武門の家でもないですね」
「祖先に軍人の方もおられるが」
 しかしというのだ。
「それでもな」
「基本武門の家ではないですね」
「左様ですね」
「そしてご自身も本来は武官ではな」
「エウリパ戦役では活躍されましたが」
「左様でしたね」
「そうであられた、国家元首そして首相もだ」
 軍の指揮権があるならというのだ。
「軍を動かす必要がある、そのことはだ」
「当然のことであり」
「頭に入れておくべきことですね」
「そうなのですね」
「閣下にしても」
「そういうことだ、そして私は文官であり文民だ」 
 この立場のことも話した。
「現場、戦場のことにみだりにはな」
「言わない」
「言ってはならない」
「例え指揮権は持っていても」
「それでもですね」
「グラウンドでプレイをするのは選手だ」
 その彼等だというのだ。
「フロントではないな」
「だからですね」
「それで、ですね」
「戦場のことには口を出さない」
「それはされないですか」
「フロントが現場に口を出して弱体化したチームは多い」
 それこそ枚挙に暇がない、人類が数多く犯してきた過ちの一つだ。その過ちの中では些細なことではあるがだ。
「それと同じだ」
「例え指揮権を持っていても」
「それでもですね」
「現場に介入はしない」
「そうされますか」
「それが大事だ」
 こう言うのだった。
「これはやはり軍務の経験があってもだ」
「それでもですね」
「現場にいないなら現場に介入はしない」
「戦場のことは」
「そちらのことはですね」
「ナポレオンは自ら戦場に立った」
 そして勝ってきた、このこともあってナポレオンは湯治のフランス国民そして後世の者達からカリスマ的な人気があるのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「現場は将軍に任せていましたね」
「戦う彼等に」
「そうなっていた、そう思うとだ」
 それはというのだ。 
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