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新オズのかかし

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第五幕その六

「行かれていましたが」
「今はだね」
「他の宗教の寺院にも参拝され」
「祈っているんだね」
「それを捧げられています」 
 そうだというのです。
「今は」
「色々な寺院がありまして」
 ベッキーもかかしにお話します。
「ヒンズー教の多くの神々が祀られています」
「神々ご自身は今この国におられるかな」
「いえ、この国にはおられないです」
 ベッキーは正直に答えました。
「あの方々は」
「あの方々の場所にだね」
「おられます」
「そうなんだね」
「ですから」
 それでというのです。
「お参りしますと」
「お祈りを捧げるだけだね」
「そうなります」
「神々とお話は出来ないね」
「残念ですが」
「それは次の機会だね、しかし」
 こうも言うかかしでした。
「ヒンズー教の神々はよく腕や目が沢山あるね」
「はい、まことに」
「それだけ凄い力があるということだね」
「それで私もです」
 セーラはにこりと笑って言いました。
「国の人達に像を造ってもらいましたら」
「腕や目が多かったんだ」
「腕が六本でした、目は三つで」
「そうだったんだね」
「何でも私はそこまで凄いとです」 
 その様にというのです。
「言ってもらいまして」
「そうなんだね」
「あの、女神様ではです」
 セーラは苦笑いを浮かべて言いました。
「とても」
「ないというんだね」
「プリンセスと言ったことはありますが」
 自分をというのです。
「女神様とはです」
「そこまで凄くないかな」
「そうです」
 かかしにその通りだと答えました。
「私は。ですから」
「そうした像を造られて」
「恐縮しまして」
 そうしてというのです。
「造ったげいしゅつかの人にありのままの姿の」
「その像をだね」
「造ってもらいまして」
「その像をだね」
「お庭に置いています」
「そういえばあったね」 
 樵もここで言いました。
「お屋敷のお庭にセーラの像がね」
「ラメダスとベッキーのものもね」
「そして他の人達のものもね」
「あったね」
「二人も他の人達も」
 セーラはかかしと樵に答えました。
「私がロンドンで辛かった時に支えてくれました」
「そうした人達で」
「今でも感謝しているんだね」
「若しです」
 セーラはその時のことを振り返って言いました。 
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