星河の覇皇
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十七部第三章 港の整備その五十六
「出すことだ」
「ではその様に」
「してもらう、それでエウロパはな」
「人口を増加させ」
「そして感染症についてもな」
「対策を進めていきますね」
「健全な人口増加を行う」
こう言い切った。
「そしてこれはな」
「以後もですね」
「エウロパの政策となる」
「長きに渡って」
「人口が増えてな」
そうしてというのだ。
「国力もだ」
「備えていきますね」
「そうなってだ」
「やがては連合をですね」
「凌駕する、しかしだ」
それでもと言うのだった。
「長い先の話になる」
「数百年先の」
「千年かも知れない」
それだけ長い歳月がかかる可能性があるとだ、ギルフォードは述べた。その言葉には偽りは存在しなかった。
「それはな」
「そうですね」
「国家千年の大計というが」
「まさにですね」
「それだ、だからだ」
「そこまで見据えて」
「そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「私もだ」
「お考えで」
「そしてだ」
「今言われていますね」
「そうだ、人の世は千年どころか三年先もわからないが」
「先の先を見据える」
「それが真の政治だからな」
それでというのだ。
「今からだ」
「手を打っておきますね」
「そういうことだ、ではな」
「これより」
「打つべき手は全て打っていく」
その様にするというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
「手を打っていく」
「これからも」
カミュも応えた、そうしてだった。
彼もまた働いていった、打つべき手を打つ為に。その中でだった。
サハラの動きを見て首相府で周りに話した。
「私には出来ないことだな」
「出来ないとは」
「戦争でしょうか」
「戦いはですか」
「私は文官だ」
こう言うのだった。
「それも生粋、代々のな」
「首相のお家はそうですね」
「カミュ家は代々の文官のお家であり」
「内政や外交に進出されてきましたね」
「軍に進まれた方はおられないですね」
「だから戦場にいてかつ政務にあたるなぞだ」
アッディーンやシャイターンの様にというのだ。
ページ上へ戻る