神々の塔
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第八十六話 たらし達その十一
「動きが速いならな」
「鈍くすることですね」
「若しくは癖を盗む」
動きのそれをというのだ。
「そうすることだ」
「どちらかですね」
「しかしわしも盗ませはせん」
癖をとだ、伊藤は明るく言った。
「癖はな、それならどうするか」
「動きを鈍くする」
「そうなる、しかしそれでもわしも負けんぞ」
「戦われますね」
「それならそれでな、そしてそのわしにだ」
まさにというのだ。
「どう戦って勝つか」
「そのことをですね」
「見せてもらおう」
「わかりました」
アレンカールはそれならと応えた、そうしてだった。
一行は術で伊藤の素早さを低下させた、それだけでなく。
「術への防御力も高めるか」
「そや」
芥川は今度は中里に話した。
「そうするんや」
「伊藤さんは術で戦う人やからや」
まさにというのだ。
「ここはな」
「こっちの術の防御力を上げて」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「術の威力は弱める」
「そうするな」
「そうするんや」
「よし、ほなな」
中里は芥川の言葉に頷いて言った。
「ここはな」
「術の防御力上げような」
「そうしよな」
「勝つ為にはな」
芥川はさらに言った、
「打てる手はな」
「全部打つ」
「そしてや」
「勝つ」
「その通りや」
まさにというのだった。
「今回もん」
「そやな、ほな」
「術の防御力も高めるで」
「わかったわ」
芥川の言葉に頷いてだった。
中里も他の者達も伊藤の素早さを下げてだった、同時に自分達への術に対する防御力を高めて神霊と戦った、そうしてだった。
伊藤にも勝った、すると伊藤は大いに笑って言った。
「お主達なら大丈夫だ」
「この世界を救えますか」
「左様、任せたぞ」
綾乃にその笑顔で話した。
「わしは楽しく見守るぞ」
「安心してですか」
「人を見る目には自信がある」
「それで、ですか」
「実際に戦ったしな」
このこともあってというのだ。
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